最初にお知らせです。
このサイトには
油絵を描いてみたい、いま学んでいる
という人が多くいらっしゃいます。
そのような人に、少しでも油絵を学ぶ
手助けができればと思い、
私の画家としての経験から
できるだけ、わかりやすいようにまとめた
油絵を学べる電子書籍と動画講座を
期間限定ですが、無料で提供しています。
ご興味の方は下のリンクから
詳細を確認できます。
ぜひ受け取ってご覧ください。
多くの人に油絵の楽しさと魅力を
知ってもらえたら嬉しいです。
こんにちは、画家の佐藤功です。
油絵の具には、黒の種類がたくさんありますが、
どの黒を使っているでしょうか?
黒は、絵においてとても重要な役割を果たす色です。
深い陰影を表現したり、
他の色を引き立てたり、
作品全体を引き締めたり、
多彩な効果をもたらします。
「黒」の種類や特徴はさまざまです。
違いを分かったうえで
適切に選択・使い分けをすると
より油絵の制作に生かすことができます。
この記事を読んでいる人の中には、
絵を習ったときに「黒を使ってはいけない」
と先生に教えられた人もいるかもしれません。
それは、黒に頼りすぎると
色彩がくすんで地味になってしまうから、
ということだと思います。
でも、黒を使ってはいけない
ということはありません。
適切に黒を使うことが重要だということです。
この記事では、
油絵の具における黒の種類や特徴、
おすすめの黒を紹介します。
また、画面全体で魅力的な黒を作る考え方についても解説します。
私が実際に、すべての黒を使って
油絵制作した経験を踏まえて、
この記事を書いていますので、実践的な内容です。
初心者の方でもわかりやすく書きました。
黒を使いこなして、
より表現力豊かな油絵作品を作り上げましょう。
※タイトル画像は、私が描いた人物画ですが、
まとめ記事で解説しています。
ぜひ読んでみてください。
目次
<あわせて読みたい>
白の種類の解説は、こちらの記事をご覧ください。
4種類の黒を簡単に比較
油絵の具の「黒」は、
パッと見は、どれも同じように見えますが、
白や他の色を混色すると、
色合いなどが、それぞれ違う印象になります。
そこを理解したうえで
選択・使い分けをすると
より油絵の制作に生かすことができます。
代表的な黒には、次の4種類があります。
アイボリーブラック
ピーチブラック
ランプブラック
フルーブラック
まず、この4種類の黒と白を混色した画像を見比べて
簡単に特徴を説明します。
画家視点で、おすすめの黒
次に、実際に私が画家として使ったうえで
おすすめする黒を説明します。
結論としては「アイボリーブラック」がおすすめです。
適度な黒さで、混色時も他の色を食うことはなく
思った色を作りやすいです。
ただ、黒の選択肢は、
描く人の好みや、描きたい絵によって
違うと思うので、
「アイボリーブラック」が良い!とは一概に言えないのです。
アイボリーブラックは、暖かみのある黒なので、
暖色との混色は相性が良いです。
例えば、茶色、赤、などと混色しても
色が濁りにくく、澄んだ色合いを保持しやすいです。
ただ、寒色との混色は濁りやすいです。
これに対して、
ピーチブラックは、やや青みのある黒なので、
寒色との混色が相性が良いです。
例えば、青、緑、などと混色しても
色が濁りにくく、澄んだ色合いを保持しやすいです。
ただ、暖色との混色は濁りやすいです。
また、
ランプブラックは、塗って乾燥したら
艶消し(マット)になるので、あえてそうしたい場合は
良いのですが、
そうではない場合、
ランプブラックを塗った箇所だけマットになるので、
絵全体で見ると違和感を感じます。
また、黒さは強いですが、マットだと
見た印象であまり黒さを感じません。
同じ黒でも、このように様々な特徴があるので、
自分の描きたい絵や好みによって
黒の選び方・使い方を考えてみるとよいです。
次に4種類の黒について
個別に詳しく説明します。
4種類の黒の詳細な説明(画家視点で、独断的な感想含む)
アイボリーブラック|使いやすい
使いやすい黒です。
動物の骨を焼いたものを顔料としています。
黒の選択に迷ったら
「アイボリーブラック」を使ってみてください。
適度な黒さで、
混色時も他の色を食うことがなくやりやすいです。
前述したとおり、
アイボリーブラックは、暖かみのある黒なので、
暖色との混色は相性が良いです。
例えば、茶色、赤、などと混色しても
色が濁りにくく、澄んだ色合いを保持しやすいです。
ただ、寒色との混色は濁りやすいです。
絵の具メーカーのセットにも黒は
だいたい、アイボリーブラックが入っているようです。
ただし、乾燥が遅い(5日程)ので、
ゆっくり描けますが、
速めたい場合は乾燥材を使ったり、
制作手順を計画立てるとよいでしょう。
また、短所としては、
アイボリーブラックを使って描いた絵は
湿気がある場所に保管すると
カビが生えることがあります。
私は、過去に何作品かカビが生えてしまったことがあります。
額装して箱に入れたまま
部屋の片隅に数年置いておいたら
アイボリーブラックを濃く塗ったところだけ
カビが生えていました。
発見が早く、カビが根を張る前だったら
拭きとればよいですが、
根を張ると修復は難しいです。
保管時には、湿気がこもらない場所に
置くなど十分注意しましょう。
作品を密閉して保管している場合は
定期的に風通しの良い場所に出しましょう。
私は、アイボリーブラックを
メインに使っているのでおすすめの黒です。
ピーチブラック|一番黒く感じる
一番黒く感じる黒です。
もともとは桃の種を焼いた顔料を使用したので、
この名称になっています。
現在は、化学的な生成物を顔料としているようです
「ピーチブラック」は黒さがほしい場合に使用するとよいです。
ただ、混色の時に黒っぽくなりやすいので、
混ぜる割合に、やや注意が必要です。
前述したとおり、
ピーチブラックは、やや青みのある黒なので、
寒色との混色が相性が良いです。
例えば、青、緑、などと混色しても
色が濁りにくく、澄んだ色合いを保持しやすいです。
ただ、暖色との混色は濁りやすいです。
黒の混色は、非常に重要ですが、
混色全般の詳しい解説付きの
本格的な油絵を学べる
「電子書籍」と「動画講座」を
期間限定ですが、無料で提供します。
(初心者、経験者とも活用できます)
私の画家としての経験を生かして執筆しました。
即実践的な内容です。
このサイトをご覧になっている
油絵を描いている人、描いてみたい人
そのような人に、油絵の楽しさと魅力を
知ってもらえたら嬉しいです。
ご興味の方は下のリンクから
詳細を確認できます。
ぜひ受け取ってご覧ください。
ランプブラック|マットな黒
塗って乾燥したら、艶消し(マット)になる黒です。
油が不完全燃焼した煤(すす)が顔料です。
黒さは強いですが、マットなので
目で見た印象で、あまり黒さを感じません。
ランプブラックを塗った箇所だけマットになるので、
絵全体で見ると、艶のバランスに違和感を感じます。
あえて、マットの黒を塗りたい場合に
使うとよいと思います。
私は個人的には、使いにくい黒という印象です。
ブルーブラック|夜空のような黒
青の顔料が含まれている黒です。
「黒に青を混ぜた絵の具」と考えてよいでしょう。
サブの黒として使えると思います。
陰影、夜空や深みある海などの色に使えそうですが、
工夫次第で様々に活用できる黒です。
例えば、黒を塗った陰影部分に深みを持たせたい場合は
さらにブルーブラックを薄く塗り重ねるなど。
または、絵の中の暗部に色合いを感じさせたい場合
いつもは混色に黒を混ぜるところ、
代わりにブルーブラックを混色してみる、などです。
私は、メインにアイボリーブラック、
サブ的にブルーブラック、を使っています。
ブルーブラックは、さりげなく活用できると思います。
まとめ|黒さは作る、絵の具に頼りすぎずに
下の絵を見てみてください。
これは私が描いた人物画ですが、
背景の暗部や髪の毛の黒は、
絵の具を何層にも塗り重ねて深みを出しています。
単にチューブから出した黒ではなく
黒に寒色・暖色を混ぜて、
それを交互に塗り重ねたり、
薄く溶いた黒や透明色を絵の具を重ねたり
と複雑なことをやっています。
これを踏まえて、以下のまとめ文を読んでみてください。
きっと、あなたの黒の扱いに役立つと思います。
黒は単に暗い色として扱われるだけでなく、
その使い方次第で作品に
深みや強さ、魅力を与える
重要な役割を果たします。
しかし、
「暗部や黒さを表現するために
黒い絵の具そのものに、
頼りすぎない方が良い」
というのが私の考えです。
黒さが欲しければ、
単純なやり方としては
チューブから出した黒をそのまま塗る、
一番黒いピーチブラックを使用する、
などが考えられます。
しかし、黒の絵の具以外の要素でも
黒さや陰影は表現ができるのです。
例えば、溶き油の量や種類を調整することで、
光沢や質感を工夫しながら「黒さ」を引き出すことができます。
光沢がある画面は、光沢が無い画面より、黒を漆黒に、より深く感じさせることができます。
また、黒の隣に配置する色の選び方によって、
黒の濃淡や深さをより強調することも可能です。
チューブから出したままの黒は
単調になりがちですが、
暖色や寒色を巧みに取り入れること、
明暗や色相の差を調整した色を周りに配置すること、
このようにして
黒の中にも、かすかな色彩を感じさせて
黒が持つ特有の重厚感や深さを、際立たせることができます。
黒い絵の具は、他の要素との相乗効果で、
黒を単に背景や影を埋めるだけの色
として使うのではなく、
表現力豊かな色として生かすことができます。
黒の絵の具はもちろん、それ以外の要素をすべて生かして、
絵の中で黒さを作るという意識を持ってみてください。
そして、より深く印象的で力強い作品を目指してください。
※最後にお知らせです。
黒の扱いは、
油絵において重要な1つの要素ですが、
油絵制作では、
他の色との混色や、絵の具や溶き油の扱い
など重要な要素はたくさんあります。
このような要素をまとめて
体系的に油絵を学べる
「電子書籍」と「動画講座」を
期間限定ですが、無料で提供します。
(初心者、経験者とも活用できます)
私の画家としての経験を生かして執筆しました。
即実践的な内容です。
このサイトをご覧になっている
油絵を描いている人、描いてみたい人
そのような人に、油絵の楽しさと魅力を
知ってもらえたら嬉しいです。
ご興味の方は下のボタンから
詳細を確認できます。
ぜひ受け取ってご覧ください。