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色彩遠近法とは?空気遠近法との違いも解説|絵画の奥行きに活用

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こんにちは、画家の佐藤功です。

絵画作品に奥行きを与えるために、
有効な技法が「遠近法」です。

遠近法は、様々ありますが、
代表的なものでは

があります。

その中でも「色彩遠近法」は、
色の使い方によって
自然に画面に奥行き感を
生み出す手法に
なります。
知識としてわかっていれば
すぐにでも活用できるものです。

一方で、
似たような「空気遠近法」と
混同されることも多く、
それぞれの違いがわかりにくい
という方もいるのではないでしょうか?

本記事では、
色彩遠近法の解説とともに、
空気遠近法との違いについても
併せてご紹介します。

さらに、絵画にこの手法を活用する際の
コツについても解説するので、
ぜひ参考にしてください。

色彩遠近法は、
色の配色を変えることで
画面に奥行きを生み出す手法です。

赤、オレンジ、黄、などの暖色は、
手前にあるように見えます。
青などの寒色は、
奥にあるように見えます。

また、
明るい色は、
手前にあるように見えます。
暗い色は、
奥にあるように見えます。

色彩によって
手前に見える/奥に見える
という効果は、
過去の様々な分野の研究から
光の波長が長い色ほど
手前に見える傾向がある
ことが
研究結果としてわかっています。
(すべての人に該当するわけではない)

手前に見える順に
おおまかに色を並べると
次の図のようになります。

上図の
左下の赤が波長が長く、一番手前に見えます。
右上に行くにしたがって波長が短くなり、紫が一番奥に見えます。

このように、光の波長の違いという
色そのものの特性よって
手前、あるいは、奥に見える
という研究結果を
絵画に取り入れた手法が
色彩遠近法となります。


ここで、お知らせです。
色彩遠近法は油絵でもよく使われている手法です。
この記事を読んで、
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「色彩遠近法」は、前述したとおり
色の違いによって
画面に奥行きを生み出す手法
です。

これに対して
「空気遠近法」は、
遠くの物体が大気の影響で
色や形がぼんやりと見える現象を再現する手法です。
具体的には

遠くになる物体ほど、大気の影響を受けて
青白くなり、コントラストが弱くなる、
輪郭線がぼやける、
このような特徴があります。

たとえば、山並みを描くときに
近くの山は、はっきりと描き、
遠くの山は淡い色調で輪郭線も
ぼかす
といった描き方になります。

「色彩遠近法」と「空気遠近法」は、
手法としては明確な違いがあります。
でも、実際の絵画制作では、

使い分けるよりも
適宜、組み合わせることで、
よりリアルで自然な表現が可能
になります。

<あわせて読みたい>
「空気遠近法」についての詳しい解説は、次の記事をご覧ください。

歴史上、実際に色彩遠近法が
活用されている名画は様々あります。

描いた画家が色彩による遠近を意識して
絵画に取り入れているかどうかまではわかりませんが、
私が個人的に色彩遠近法の効果が
高く感じられる、という名画を3つ紹介します。

手前の果物には
鮮やかな赤や黄色などの暖色が用いられ、
布の明るい白さも相まって
より手前に感じさせています


一方、奥のサクラソウの鉢や背景の壁には、
青緑やブルーグレーなど
柔らで落ち着いた寒色系の色彩が配置され、
自然な奥行き感を生み出しています

また、
手前のテーブルに置かれた布や果物は明度が高く、
奥のサクラソウの鉢や背景の壁は明度がやや低くなっています。
より手前の感じを演出しています。

この作品では、
暖色と寒色の対比、明暗の対比がされてはいますが、
手前から奥にかけて、自然な色調の変化が見られます。
例えば、
果物は暖色だけでなく
一部は少し青みがかっています。
そして、布の陰も青みがかっています。

これにより、
不自然な色彩の分断がなく
手前と奥行きを強調しながらも
自然な印象を与えています。

この作品は、
色彩による遠近感を強調するだけでなく
テーマである人間存在の問いかけを
強調する意図もあるように思います。

中心となる手前の人物あたりに
暖色系の明るい色彩を配していますが
それ以外の人物は、青みがかって沈んだ印象になっています。

手前の人物達の肌色や茶色の暖色
奥の背景の青や深緑の寒色
これらの配色により、
奥行き感は出しています。

ただ、中心の人物以外は、
全体的に青を主調とした
寒色系でまとめられています。

これは、奥行き感を強調するだけではなく
深く青く沈んだ色調にすることにより、
テーマである人間存在の問いかけを
明示的にしたいという目的があると考えられます。

前景の二人の姉妹には
鮮やかな赤やピンクが用いられ、
姉妹が身に着ける服や帽子の色彩が生き生きと描かれています。

一方、背景の風景は
柔らかな緑や黄系の淡い色調で描かれ、
輪郭もややぼかされることで
遠く感じられる工夫がされています。

手前から奥にかけて、
色彩のコントラストを
柔らかく変えることにより、
画面に奥行きを与え、
それと同時に
姉妹の存在感を引き立て、
親密で温かい雰囲気を生み出しています。

この作品は、
鮮やかな暖色を手前に、
寒色を奥に用いる「色彩遠近法」と
奥に行くにしたがって
背景の色彩のコントラストを弱めて
霞ませる「空気遠近法」を
融合した描き方
と言えます。

色彩遠近法の活用のコツは
制作する絵の中で、手前と奥、主役と脇役などを
どう見せたいかによって
配色をどうするかを意識する
ことです。

画面の手前に暖色系、
奥に寒色系を配置することで、
自然な奥行きが生まれます。

具体的な
手前から奥に見える色の順番は
前述したように下図のとおりです。
でも、すこし複雑なので
この順番を常に意識するのは厳しいですね。

ではどうするのか?

色彩遠近法を活用する際の
考え方を解説します。

まず、ごく簡単には

これだけ覚えればOKです。

次に、さらに活用したい場合は
色の三原色(赤青黄)について
手前に見える順番(長波長順)を覚えます。

1.「赤」一番手前に見える色
2.「黄」二番目に手前に見える色
3.「青」三番目に手前に見える色

これを覚えてください。

これを覚えておけば、
今描いているモチーフを
手前に見せたい場合は、モチーフの色に対して長波長の色を混ぜるとよい
奥に見せたい場合は、モチーフの色に対して短波長の色を混ぜるとよい

ということがわかります。

例えば、

紫色のモチーフの場合
少し手前に見せたいなあ、と思ったら赤を混ぜて赤紫にしてみる
少し奥にみせたいなあ、と思ったら青を混ぜて青紫にしてみる

黄色のモチーフの場合
少し手前に見せたいなあ、と思ったら赤を混ぜてオレンジにしてみる
少し奥にみせたいなあ、と思ったら青を混ぜて黄緑にしてみる

緑色のモチーフの場合
少し手前に見せたいなあ、と思ったら黄を混ぜて黄緑にしてみる
少し奥にみせたいなあ、と思ったら青を混ぜて青緑にしてみる

といった感じです。

もちろん、これらは単純な例です。
実際の混色では、様々な色を混ぜて
作りたい色にすると思います。
その時に、色を
赤に寄せる、黄に寄せる、青に寄せる
などと意識してみてください。

また、色による遠近感を
自然に見せるためには次のようの手法があります。

<グラデーションでつなぐ>
手前から奥に向かって、
色を段階的に変化させるグラデーションを作ると、
より滑らかに奥行きが表現できます。

<色の鮮やかさを調整する>
手前の色を鮮やかに、
奥の色をくすませることで、
自然な遠近感が得られます。
この際、補色関係を取り入れると
色のバランスが良くなります。

鮮やかな赤やオレンジなどの暖色は
視線を引きつけるため、
主題を強調したい部分にも活用
できます。

色彩遠近法の解説をしましたが、
少しだけ、気を付けていただきたい点があります。

この手法は、すべての作品に使えばよい
ということではありません。

描きたい絵のモチーフの色が
手前のモチーフは青色など寒色系
奥のモチーフは赤色などの暖色系
ということは、よくあることです。

手前のモチーフを青で描きたいのに
遠近感を強調するために、
無理に赤に変えるのは本末転倒ですね。

まずは、あなたの感性で感じた
描きたい絵、描きたい色を優先してください。
色彩遠近法は、
作品制作時に補助的に活用する意識でよい
のです。

また、色彩遠近法だけでなく、
透視図法(線遠近法)や空気遠近法と組み合わせたり、
あえて平面的な構図を描くことで
独特の表現を生み出すこともできます。

重要なのは、
あなたの描きたいイメージや感性を大切にすること。
規則や手法にとらわれず、
自由な発想で色を使い分けることで、
個性を大事にしつつ、
手法や技術を適切に活用しましょう。
それが、作品のクオリティを上げていくことに繋がります。

色彩遠近法は、
奥行き感を演出するための有効な手法ですが、
型にはめたような使い方よりも
自由に活用することで、より良い効果が期待できます。
この記事を参考に、
色彩遠近法を試してみてくださいね。


最後にお知らせです。
色彩遠近法は油絵でもよく使われている手法です。
この記事を読んで、
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