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こんにちは、画家の佐藤功です。
絵画の構図について、
構図パターンを紹介しながら、
構図の決め方を解説します。
この記事には、前編と後編の【1】【2】があります。
本記事は、後編の【2】です。
以下、前編の【1】を先に読むと、
構図の理解がしやすいです。
絵画において、構図が的確だと
観た人を一瞬にして、
作品の世界に引き込むことができます。
【1】に引き続き、【2】では
私が、これは良いと思っている
構図パターンを
さらに10種類紹介していきます。
そして最後には、
構図の決め方のコツを解説します。
目次
活用できる構図パターン10種類
1.トンネル構図
名称の通り、トンネルのような
わかりやすい構図です。
トンネルの先にある対象を
際立たせることができます。
周りは、手前のモチーフを配置して
トンネルの先の奥には、主となるモチーフを配置します。
主に風景画で、よく見られる構図ですが
人物画、静物画でも活用できます。
下図は、フェルメールの「恋文」ですが、
手前(トンネル内)には
カーテンや椅子、扉?が描かれています。
その先(トンネルを抜けた先)に
楽器を持つ女性と女中が描かれています。
この場面は、女中が女性に恋文を渡すところですが
女中の意味深な笑み、、
女性の不安げな表情、、
手紙の相手や内容は、どのようなものなのでしょうか?
この一連の光景を
トンネル構図により
鑑賞者には、のぞき見しているような
つい見てしまったような印象を与えていますね。
2.サンドイッチ構図
トンネル構図と似ていますが、
サンドイッチ構図の方が、
左右の領域だけ調整するので、
活用しやすいと思います。
中心のモチーフを際立たせるために
左右の領域を、何か別の要素で挟むのです。
下図は、ラファエロの「ユニコーンと若い女性」ですが
シンプルに左右の柱で挟んでいます。
より女性への視線が誘導されます。
下図は、私が描いた人物画ですが、
左右を暗部にして
中心の逆光に照らされる女性を
際立たせています。
3.主副構図
構図を決める時に、まず主役のモチーフを
決めると思いますが、
脇役のモチーフを
明確に配置するのが主副構図です。
主モチーフと副モチーフの相乗効果で
絵画に深みを与えたり、
主モチーフを引き立たせます。
下図は、ルノワールの「ジュリー・マネの肖像」ですが
描かれている少女は、画家 エドゥアール・マネの姪です。
主役であるジュリー・マネが
脇役の猫を抱いています。
これにより、単なる肖像画ではなく
ジュリーや猫の穏やかな表情と佇まいから
その関係性や内面、ストーリーが想像できます。
主副構図では、
絵画に深みを与えながら、
主役・脇役を引き立たせることができます。
4.C構図
アルファベットの「C」型の構図です。
「C」の形に添って、
モチーフを画面に大きく配置すると
ダイナミックな構図になります。
下図は、ゴーギャンの「ハム」ですが
ハムの存在感を強調するように
「C」の大きい形に添って
大胆にテーブルを配置しています。
この作品では「C」とは、向きが逆ですが、
上下左右、どの方向でも「C」の形に
なっていればOKです。
5.S構図
アルファベットの「S」型の構図です。
「S」の形に添って、
モチーフを画面に大きく配置すると
ダイナミックな構図になります。
「C」よりも複雑な構成にしたい場合に使うとよいです。
風景画の川、道などのウネリと
奥行き感を表すときに良く用いられます。
下図は、歌川広重の「諸国六玉川 陸奥野田」ですが
河川のウネリを画面の横幅いっぱいに
「S」の形で配置していますね。
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油絵に興味を持ったあなたへ
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<対比構図>
対比構図は、画面内で
色彩、明暗、大きさ、曲線直線、垂直水平、キャラクター/特性など
様々な対比を用いる手法です。
これは、他の構図法と被る部分はありますが、
画面内での様々な対比を意識することは重要なので
「考え方として覚えておく」とよいです。
6.対比構図(色彩)
下図は、ゴッホの「カラスのいる麦畑」ですが
画面全体の上下で、
紺色と黄色で対比させています。
7.対比構図(明暗)
下図は、ラ・トゥールの「大工としての聖ヨセフ」ですが、
幼子のイエスが、父ヨセフの大工仕事を見ている場面です。
蝋燭の明かりは
イエスの顔と身体を、明るく照らして、
ヨセフの顔と身体は、逆光となり暗くなっています。
明暗の対比構図を用いて
明示的に主役である
イエスを際立たせています。
8.対比構図(垂直水平)
下図は、モネの「ポプラ、秋の終わり」ですが、
ポプラ並木の垂直要素と
地面と川面、奥の並木部分の水平要素が
バランスよく構成されています。
画面全体で
垂直要素だけ、水平要素だけ
となると、単調になってしまいます。
垂直要素が多ければ、水平要素を加えてみるとよいです。
この構図法は、とても簡単で
風景だけでなく
人物画、静物画など
幅広く活用できるので
ぜひ覚えておいてください。
9.対比構図(曲線直線)
下図は、ムンクの「叫び」ですが、
ムンクの不安感を描いた作品です。
画面右上の
空やフィヨルド、街並みは
曲線でうねるように描いています。
これに対して、
画面左下の、橋や欄干は直線で描いています。
画面大部分を占める曲線は
不安感を表していますが
直線部分との対比により
曲線部分をさらに強調し、不安感を際立たせています。
10.対比構図(キャラクター/特性)
下図は、ピカソの「人生(La Vie)」ですが、
左に寄り添う男女、
右に母子(寡婦説もあり)
を対峙する構図で描いています。
このような構図で、
キャラクター(特性)が違う登場人物などを
対比させるにより
絵画に、意味深さやストーリー性を与えることができます。
まとめ|構図の決め方のコツ
前編の【1】と、
本記事の後編【2】で、
厳選した構図パターンを
20種類紹介しましたが
いかがだったでしょうか?
では、これらの構図パターンを
あなたの作品に生かすにはどうしたらよいか?
その決め方を解説します。
私が行っている方法ですが
よかったら、構図の決め方の
1手法として参考にしてみてください。
まず、描く作品について
あなた自身が
どう描きたいかを明確にします。
何を描くのか
要素はいくつか
テーマは何か
どのように見せたいのか
などなど。
上記以外にもあれば、それも追加します。
もし、なかなか思いつかない場合は、
文字やスケッチで書き出してみると
頭が整理されて、やりやすいです。
あなたが、どう描きたいか明確にしたら、
そこから考えて
候補となる構図パターンを
すべて選び出します。
そして、そこから構図を決めていきます。
例を示した方が、分かりやすいと思いますので
私の作品で、決め方の流れを説明します。
何を描くのか→静物画
要素は何か、いくつか→ワイングラス、羽根、右から差し込む光、流れる風
テーマは何か→グラス中の羽根の生命感
どのように見せたいのか→淡色の明暗コントラストを感じさせて、やわらかい雰囲気で見せたい
この段階で、
候補となる構図パターンを
すべて選択します。
三角構図
日の丸構図
対比構図(明暗)
対比構図(垂直水平)
次に、これらの構図パターンを参考に
エスキース(※)をします。
(※)「エスキース」など
わからない専門用語があれば
「美術用語一覧|油絵・デッサンを描く時の基本用語辞典」
をご覧ください。
構図パターンは、
複数のパターンが当てはまることが
ほとんどなので、
複数を組み合わせながら試行錯誤して
エスキースします。
このエスキースを元に構図を決めます。
そして絵画制作しますが、
完成までの途中で
構図の微調整や変更は、
かなりの確率でありえます。
エスキースや構図パターンは
完成まで、迷ったときの参考にしてください。
<完成図>
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