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模写で効果的に上達する練習方法とは?初心者におすすめの簡単な有名絵画

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こんにちは、画家の佐藤功です。

絵画を学び始めたばかりの初心者、
伸び悩む経験者の方にとって、
上達への近道のひとつが「模写」です。

歴史的に見ても
多くの画家が模写を行っています。

名画を見本にして描くことは、
名画の様々な良い要素を
自分に吸収することになります。
そうして、絵の技法や表現力を
高めることができる
のです。

本記事では、
効果的に上達する模写のやり方と、
初心者におすすめの簡単な有名絵画をご紹介します。

やり方は、色々ありますが、
好きな絵を選んで模写すると
楽しみながら練習を続けられるでしょう。

油絵を中心として、
解説しますが、
どのようなタイプの絵でも
役に立つと思います。

私自身、
画学生の頃に
フェルメールやルノワールなどの
模写をしてきました。
その模写練習を通して、
絵画制作の力を伸ばす効果を実感しています。

ぜひ模写を通じて
ご自身のスキルを高めていきましょう!

まず、模写とは、何なのか?
改めて説明します。

模写とは、
優れた作品を見ながら
そっくりに描き写す
絵画の練習方法
です。

技術の習得やスキルアップを目的として
歴史的に多くの有名画家たちが
模写を通じて自身の技法を磨いてきました。

例えば、
ゴッホは、様々な画家の
数多くの作品を模写しています。

中でも、ミレー作品の模写が多いですが
ドラクロワやレンプラント、
日本の浮世絵も模写しています。

ゴッホは、他の絵画から
貪欲に学んでいることがわかりますね。


日本でも
俵屋宗達の「風神雷神図屛風」は
時代を超えて3人の絵師に模写されています。

以下の画像をご覧ください。

俵屋宗達の「風神雷神図屛風」(1624年頃)がオリジナル作品
尾形光琳は、俵屋宗達の作品を模写した(1711年頃)
酒井抱一は、尾形光琳の模写をさらに模写した(1821年頃)

このように、古今東西
模写は普通に行われており、
構図や色使い、タッチなど、
名画の優れた要素を学べる
非常に効果的な方法
です。

模写する絵画は、基本的には
自分の好きな絵画から選ぶとよいですが、
選び方のポイントも後述します。

初心者、上達したい経験者の方にとって、
模写は楽しみながら
着実に力を伸ばす方法としておすすめです。

模写するにあたり
最初に気を付けるポイントを説明します。

模写の目的は、
優れた絵画の要素を自分に
取り入れること、です。

なので、

これらに留意する必要があります。

次に模写の基本ステップです。

海外の美術館では、館内で
模写している人がいるのは
普通に見られる光景です。

しかし、日本の殆どの美術館で
模写は許可されていません。
一部の少数の美術館では、
鉛筆での模写はできるようですが。

ですので、実質は
画集や、ネット上の画像を見て
模写することになります。

模写したい絵画の大判の画集や
インターネット上の画像など
を準備します。

できるだけ精細なもので
拡大図があれば、尚よい
です。

また、画家がどのようにして
描いたかの制作手順や意図などがわかる
伝記や評伝、書籍など
資料があれば、さらに良い
です。

資料を準備したら、
いきなり模写するのではなく
模写作品の画家が、
どのような制作手順や意図で描いたかを
準備した資料を元に分析します。

画集などでは、
絵の具の重ね具合やタッチなどで、
絵の具の重ね順や
使った筆などを推測
します。
また、描いた制作手順や意図がわかる
書籍などの資料があれば
それも参考にします。

これは正確でなくてかまいません。
他の画家の手順を
分析して試行錯誤することも重要で
学びが多い
ことなのです。

分析した制作手順はメモなどに
書き留めておきます。

模写をします。
分析した制作手順を
踏まえて進めていきます。

できるだけ、
構図やモチーフの配置を
正確に捉えます。

これは、資料のコピーと、
自分が描くキャンバスに
分割線を入れておくと、やりやすい
です。
この分割線は、
全体のバランスを崩さずに
模写を進めるのに役立ちます。

そして、
分析した制作手順を参考に
形や色、陰影を
忠実に再現していきます
が、
この際、自分の個性や独自性を
入れる必要はありません。

画家の意図や心情を想像して
描いていきます。
なぜこのような構図、色彩、タッチ、
絵の具の重ね方、で描いたのか、
など。

画家の制作の軌跡を
何度も再現していくうちに
自然と画家の意図や心情が
わかってくるようになります。


練習としての模写は、
作品を正確に再現し、作品に学び、
画家の意図や考え、技術を
自分に取り入れること。

それが目的であり、最優先なのです。

このようにして、模写をしますが
初心者の方にとっては、
作品を正確に再現するのは
少しハードルが高いと思います。

できるだけ描きやすい
有名絵画を紹介します。


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デッサンや素描、
クロッキーに定評のある
バロック期の画家 ルーベンスが、
息子を描いた素描です。

形態や陰影の捉え方、
線描を学びたいときに
ルーベンスの素描やデッサンの
模写は有効
です。

シンプルな線と面で
幼い子供の頭部を
的確に捉えています。

ルーベンスの素描は
数多く残されているので
他の素描も模写してみるとよいですね。

シンプルながら、
優れた画面構成や陰影表現で、
特に静物画家として有名なシャルダン。

画面構成は簡単でも奥が深く
マグカップの白さに目を引かせながら
中心のプラム、洋梨の色彩へ誘導しています。

上下の空間と濃淡は、
モチーフを引き立てながら
の安定感のある構成要素となっています。

静物画の構成や構図
を学びたいときに
シャルダンの静物画の
模写は有効
です。

「糸杉のある麦畑」は
ゴッホの絵の特徴である
激しい筆跡やタッチ、鮮やかな色彩など、
画家の魅力が良く表れていて
かつ、シンプルな作品です。

ゴッホの絵の魅力を
自分に取り入れたい場合は
おすすめします。

前述までは、
模写により、形態の把握、構図など
絵画要素のいずれかを学ぶときの
おすすめ絵画として
ルーベンスやシャルダンを紹介しました。

このゴッホの場合は、
あなたが、好きな画家の作品を
模写したいとき、
作品選びの参考にしてみてください。

あなたの好きな画家の
魅力が良く表れていて
かつ、シンプルな作品を選ぶと
模写がやりやすい
、ということです。

模写は、できるだけ作品全体を
描いた方がよいですが、

作品から学びたい要素だけを
模写する方法もあります。

初心者の方には
始めやすい方法だと思います。

例えば、
模写したい作品の

色面だけ
明暗だけ
一部だけ
フォルムだけ

を模写する、などがあります。
次に解説します。

色による画面構成を学びたい場合、
色面を単純化して模写します。
形態や立体感、細部は
無視して描きます。

白黒による画面構成を学びたい場合、
白黒だけで単純化して模写します。
(白・黒・グレーの3段階を意識するとやりやすい)
形態や細部は
無視して描きます。

描きたい部分だけを模写します。
例えば、ゴッホの「ひまわり」の
筆のタッチだけを学びたいなら
ひまわりの花部分だけを再現します。

形態を表す曲線を模写します。
例えば、エゴン・シーレの
独特のフォルムを学びたければ
フォルムを表す
アウトラインなどの曲線だけを再現します。
色彩や細部は無視します。


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