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キュビズムとは?ピカソ,セザンヌの代表作で簡単に解説。ブラックも

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こんにちは、画家の佐藤功です。

キュビズムについて詳しく解説します。

キュビズムとは、ピカソ,ブラックが提唱した絵画表現

キュビズムとは、「パブロ・ピカソ」と「ジョルジュ・ブラック」によって提唱された絵画表現のことです。

どのような絵画表現か、ごく簡単に言うと


(1)複数の視点から見た物の形を、一つの画面に表す
(2)物の形を、立方体球、円筒、円錐、など幾何学的な形にする


です。次に(1)(2)を具体的に説明します。


ピカソのキュビズム代表作で説明

まず、(1)を説明します。下図のピカソのキュビズム代表作「アヴィニョンの娘たち」を見てください。


パブロ・ピカソのキュビズムの代表作 「アヴィニョンの娘たち」


(1)複数の視点から見た物の形を、一つの画面に表す
これは、例えば、正面から見た形、上から見た形、横から見た形、など複数の視点から見た形を1つの画面に表すことです。ごく簡単な例だと、下図は「アヴィニョンの娘たち」の一部ですが、顔は正面から見た形で、鼻は横から見た形になっています。これら複数の視点の形態を1つの画面に表している表現のことです。これまでルネサンス期以降の絵画でよく描かれてきた、一つの視点で描く遠近法(透視図法)は、排除されます。わかりやすく言うと、目に見える自然な形は排除される、ということになります。



次に、(2)をピカソのキュビズム作品「マンドリンを持つ少女」で説明します。

(2)物の形を、立方体球、円筒、円錐、など幾何学的な形に置き換える
これは、従来のように遠近法(透視図法)によって、自然に見えた形を忠実に描くのではなく、立方体、球、円筒、円錐、など幾何学的な形にとらえて、それらを解体し、絵画上で新しい世界を再構築することです。下図はピカソのキュビズム作品「マンドリンを持つ少女」ですが、少女の腕は円筒、顔は立方体の組み合わせ、体の他の部分も立方体やその面、円筒、球などの組み合わせになっています。このように画家が見た対象を頭の中で知性的にとらえて、幾何学的な形に変換し、キャンパスに再構築しています。ただ、私が画家として個人的に思うに、これは美しいと言えるのかどうなのか、、、これについては、後述します(^^;

パブロ・ピカソ「マンドリンを持つ少女」

セザンヌのキュビズム。ピカソ、ブラックらに影響

キュビズムとは、「パブロ・ピカソ」と「ジョルジュ・ブラック」によって考案されたと説明しましたが、彼らの発想の元をたどれば「ポール・セザンヌ」の作品から影響を受けています。下図は、セザンヌの作品「リンゴとオレンジ」ですが、複数の視点からの形が混在しています。例えば、皿などの器で見るとわかりやすいと思います。次に詳しく説明します。

ポール・セザンヌ「リンゴとオレンジ」

まず、以下図解で、どこからの視点か見てみましょう。(1)真ん中のオレンジを盛っている足付皿は、ほぼ正面(少し上)からの視点に見えます。(2)林檎を盛っている左の皿は、ほぼ左上からの視点に見えます。(3)右の水差しは、正面(ごくわずかに上)からの視点に見えます。器以外の、布やテーブルの脚も別の視点からの形となっています。このように1つの画面に複数の視点の形態を描き込み、さらに、「白い布」と「緑の柄布」の形や配置、「林檎やオレンジの色(赤、黄、橙)」と「布の色(白、緑)」との対比に見られるように、形・配置場所・構成・色など、あらゆる要素を、画家が見たままの印象ではなく、知性で再構築して、1つの画面にしようと試みています。つまり画家が現実に見た物を、知性で好きなように、視点・形・配置場所・構成・色を変えたりして、魅力的な絵にしようとした、ということです。

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セザンヌの残された手紙の中に

「自然を球体、円筒、円錐として扱うこと」

という言葉があります。

その言葉を踏まえて、セザンヌの作品をもう一点、下図の「サント=ヴィクトワール山」を見てみましょう。まず、セザンヌは、対象の大まかな形を立方体、円筒などでとらえた上で、細かなタッチで色面を貼り合わせるように描いています。特に、遠景の山の描写がわかりやすいと思いますが、細かい色面を筆のタッチを生かして描いています。結果、立方体の集積で山の形態を表していて、形態の存在感が強調されています。近景、中景の樹々や平地も同様に描かれています。セザンヌは、自然を幾何学化することにより、対象の立体感や、存在感、空間を強調することを試みていました

ポール・セザンヌ 「サント=ヴィクトワール山」

まとめと、画家視点の考察

以上が、ピカソ、ブラックらのキュビズムへの影響を与えたセザンヌの絵画表現です。まとめると、セザンヌは多視点、対象を幾何学的にとらえる、という表現を試みていましたが、ピカソ、ブラックらは、さらに突き詰めてキュビズムを確立したのです。

前掲のパブロ・ピカソ「マンドリンを持つ少女」は、ほとんど幾何学的造形の集合体で、なんとなく人間が楽器を持っているように見えますが、無機質で美しいとは言えないように思います(美意識は人によりますが、、)。キュビズㇺでは、「マンドリンを持つ少女」のように幾何学化を追求しすぎて、何を描いているのか、ほとんどわからなくなるまで、分解、再構築された作品もあります。セザンヌの絵画では、幾何学的な要素があっても、まだ調和や美しさはあり、何を描いているかは判別がつきますが、、、

突き詰めたキュビズムは、多視点・幾何学化を魅力的な表現(調和した魅力的な構成や、物の存在を強調することで、良い絵にするため)の手段としてではなく、多視点・幾何学化するという手段自体が目的になってしまっているようです(実際そうだったようで「分析的キュビズム」と言う)。結果、徹底的な多視点・幾何学化は達成したけど、何を描いているのか不可解、美しさは考慮していない、という作品に行きついたのかな、と思いました。私が画家として個人的に思うに、行き過ぎたキュビズムのように手段が目的となる表現は、無機質で感動や共感を得にくい作品になるように感じます、、、

ただ、今日までの絵画作品には、あたりまえのようにキュビズムを取り入れた優れた作品が多数あります。それに、美術教育の現場でも、デッサンなどで描く対象(例えば、レンガ、瓶など)を、まず立方体や円筒など幾何学化してとらえて、そこから物の形を把握していく描き方は一般的ですが、そこにもキュビズムの影響はあるのではないでしょうか。また、絵画以外でも、彫刻やデザイン、写真や建築など多くの分野に影響を与えています。キュビズムは、表現の幅や可能性を劇的に広げたという意味では、その意義は大きいと思います。

キュビズムの大まかな流れ

キュビズムを大まかな流れで見ると、19世紀初頭に写真が発明されたことの影響が大きく、当時、主流だった写実的な絵画が写真に取って代わられるという危機感がありました。

ですので、画家たちは、写真とは違う、絵画にしかできない表現へ向かうようになり、印象派のような色彩を感覚的にとらえ、大胆な筆のタッチを生かした表現が出現します。セザンヌは印象派として活動していましたが、徐々に前述のキュビズムの元となるような、多視点、幾何学化の表現に向かいます。その後、セザンヌに影響されたピカソ、ブラックらがキュビズムを考案、追求、確立することになります。

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