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こんにちは、画家の佐藤功です。
油絵を始めたばかりの方は、
油絵の具が乾く時間が遅いことに
戸惑っているのではないでしょうか。
・いつ乾燥するの?次の色が塗れない。
・色によって、乾燥時間が違うのはなぜ?
・乾燥を速めるには、どうしたらよいの?
などなど。
まず、油絵の具は、乾燥が遅い画材です。
だいたい、目安として1~5日ほどかかります。
この記事では、
・油絵の具の乾燥時間と解説
・油絵の具の乾燥を速める方法
・乾燥時間を生かした制作方法
を解説します。
私も、画学生のころは、
乾燥の遅さに戸惑い、
乾燥時間と自分の制作ペースを
つかむのに苦労しました。
でも、現在は、
画家として活動する中で
乾燥時間の問題は解消して、
全く気にならないです。
絵を描くペースを保ちながら、
作品を効率よく仕上げたい方は、
是非この記事を読んでください。
目次
油絵の具の乾燥時間と、その仕組み
冒頭で、油絵の具の乾燥時間は、
1日~5日ほどが目安、と説明しましたが、
これは「指触乾燥」(※)と言って、
絵の具表面の乾燥のことです。
絵の具の内部まで乾燥する「完全乾燥」は、
半年~年単位かかります。
(※)指触乾燥すれば、絵の具を塗り重ねして、制作はできる。
水彩絵の具は、
水分が蒸発すれば、乾燥となりますが、
油絵の具は、
絵の具や溶き油に含まれる
乾性油という油が、
酸素と反応する酸化重合
という化学反応によって
乾燥(固化)します。
この酸化重合に時間が
かかる、ということです。
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条件による乾燥時間の違い
油絵の具の乾燥時間は、
次の条件でも違ってきます。
絵の具の色
塗る厚さ
使う乾性油の種類
温度
絵の具の色
これは、絵の具に含まれる
顔料(色の成分)によって
乾燥を促進させるものや、
乾燥が進みにくいものが
あるからです。
例えば、シルバーホワイトの顔料は、
鉛白が使われていますが
これは乾燥促進効果があります。
乾燥は、1日程度です。
他に乾燥が速めの色は、
コバルトブルー
ビリジャン
などがあります。
一方、チタニウムホワイトの顔料は、
チタン白が使われていますが
これは乾燥が進みにくいです。
乾燥は、5日程度です。
他に乾燥が遅めの色は、
カドミウムレッド
アイボリーブラック
ウルトラマリンブルー
などがあります。
塗る厚さ
油絵の具を塗る厚さですが、
厚く塗れば塗るほど、
乾燥に時間がかかります。
使っている乾性油の種類
油絵の具に含まれている
乾性油の種類によって、
乾燥時間が違ってきます。
乾性油には主に、
リンシードオイル
ポピーオイル
がありますが、
リンシードオイルは、乾燥が速いです。
ポピーオイルは、乾燥が遅いです。
リンシードオイルは、
オイル自体の色が濃く、
乾燥後に黄変しやすい性質があります。
このことから、
白、青系以外の絵の具に使われているようです。
ポピーオイルは、
オイル自体の色が薄く、
乾燥後に黄変しにくい性質があります。
このことから、
白、青系などの絵の具に使われているようです。
また、使う溶き油も、
リンシードオイルか、ポピーオイルかによって
乾燥時間の速さが変わってくる、ということですね。
黄変の少なさか、乾燥時間の速さか、
どちらを優先するかで、
使う溶き油を選べばよいですね。
温度
温度は、油絵の具の乾燥に
大きく影響します。
温度が高いと乾燥が進みますが、
温度が低いと乾燥が進みません。
私の体感ではありますが、
夏場では、絵の具を塗ってから
2~3日で指触乾燥するのに
冬場では、絵の具を塗ってから
暖房のない部屋に絵を置いておくと
1週間しても、乾燥せず
手で触れて、絵の具が付いて
しまうことがありました。
温度は、乾燥にかなり影響しますね。
(色や絵の具の厚さなど、他の要因もありますが)
ここで、お知らせです。
油絵に興味を持ったあなたへ
私の画家としての経験から書いた、
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乾燥を速める方法|乾燥促進剤?温度?日光?
では、油絵の具の乾燥時間を
速めるためには、
どうすればよいでしょうか?
前述した
絵の具の色や、塗る厚さなどを、
乾燥を早くしたいからといって
乾燥が速い色を選ぶ、厚塗りしない
というわけには、いかないですよね。
好きな色は使いたいし、
好きに厚塗りもしたいですよね。
好きに描きながら
乾燥を速める方法を
いくつか解説します。
乾燥促進剤を使う
まずは、乾燥促進剤を使うのが一般的です。
代表的な乾燥促進剤が、
シッカチーフという透明な液状の溶剤です。
これは絵の具に混ぜると
穏やかな乾燥促進効果があります。
例えば、チタニウムホワイトなら
目安ですが、指触乾燥5日くらいが、
3日くらいになります。
入れ過ぎは厳禁ですので、
説明書きをよく読んで、
使用量は気を付けてください。
また、さらに乾燥を速めたい場合は、
ゲル状の乾燥促進剤を使うとよいです。
中でも超速乾メディウム(クサカベ)が使いやすいです。
絵の具に混ぜると、
半日~1日で指触乾燥します。
超速乾メディウム説明書きに
絵の具とメディウムの混合比は、
1:1が標準、と書いています。
しかし、混ぜすぎると、
絵の具が薄まって、色の効きが弱くなるので、
絵の具に混ぜるのは、
3割程度までにした方が良いです。
私は、乾燥促進剤は、
基本的にシッカチーフを使っています。
ゲル状の乾燥促進剤は、前述の理由から
あまり使いませんが、
さらに乾燥時間を速めたい場合や、
厚塗りする場合は、
超速乾メディウムを使います。
ただ、絵の具に混ぜるのは、
1~3割程度までにしています。
温度を上げる
次に、温度を上げる、です。
描いた絵を置いている室温を
夏場くらいの温度(30℃くらい)まで上げると
乾燥時間は早くなります。
※私は、実験的に電気ストーブで、塗った絵を
50~60℃まで温めてみたことがありました。
結果、顕著に乾燥が速くなりました。
でも、これは、お勧めしません。
急激な温度変化や乾燥は、
絵の具のひび割れ・剥離の
リスクが高まるからです。
日光に当てる
最後に、日光に当てる、です。
先に結論ですが、
私は、この方法は、やめた方がよいと思います。
詳しく説明します。
以前、本か何かで読んだ記憶ですが、
ムンクが日光に当てて
絵を乾燥させていたという
ことが書いていました
(記憶違いかもしれない笑)
たしかに、日光の紫外線は、乾燥促進効果があります。
また、温度が上がることも乾燥を促進させます。
しかし、同時に紫外線は絵の具に含まれる
顔料を退色させる原因となります。
また、高温になり過ぎる場合もあります。
日光に当てる時間が短ければ
退色や高温の影響は少ないかもしれません。
とはいえ、リスクはあるので、
私はやめた方が良い、という考えです。
乾燥時間を生かした制作方法
油絵の具の乾燥時間が遅い特性は、
長所とも言えます。
乾燥の遅さを利用して、
制作の質を上げたり、
効率よく制作を
進めることができます。
例えば、
グラデーションやぼかし技法を
乾燥時間を気にせず、
ゆっくり丁寧に作業ができます。
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私は実際の油絵制作で、
ぼかし技法を多用しますが、
あえて乾燥促進剤は、控えめにして
時間をかけ、緻密に柔らかくぼかすことで
作品の質を上げています。
さらに、同時に複数作品の制作がやりやすいです。
パレットに多めの絵の具を混色しておいて、
長時間かけて、
複数作品の絵を同時に進めることが容易です。
パレットや作品上の、絵の具の乾燥を気にせずに。
また、1層目の絵の具が乾燥するまで
次の絵の具層をどう塗っていくか
あせらずに、構想を練る時間ができます。
修正もやりやすいです。
油絵の具は、塗った後、
しばらく乾燥しないので、
やっぱここ修正しよう!と思ったら
簡単に絵の具を
拭き取ることができます。
まとめ|特性を理解して活用する
油絵の具の乾燥時間は、
初心者にとって
戸惑うことがあるかもしれません。
でも、その特性を理解し、
活用することで、
制作プロセスがより楽しく、
作品の向上にもつながります。
この記事で説明した
乾燥時間を短縮する方法や、
乾燥の遅さを生かした制作方法を参考にして
あなたの制作ペースの幅を広げてみてください。
油絵がさらに楽しくなって、
作品も豊かで魅力的になってもらえれば嬉しいです。
最後にお知らせです。
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