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ヤン・ファン・エイクの技法とは?徹底した細部への描き込み。兄弟で描いた大作「ヘントの祭壇画」

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ヤン・ファン・エイクの技法とは?徹底した細部への描き込み

こんにちは、画家の佐藤功です。

ヤン・ファン・エイクは、15世紀フランドル(現在のベルギーあたり)の画家です。一般的にはそれほど知られていませんが、油絵を学んだり、美術が好きに人にとっては有名な画家で、絵の隅々まで、徹底した描き込みで知られています。また、油彩技法を確立した画家でもあります。この記事では、特にヤン・ファン・エイクの技法(描き込み)について、画家からの視点で解説していきます。

それでは、実際にいくつか作品を見ていきましょう。

ファン・エイク兄弟で制作した大作「ヘント祭壇画」

「ヘントの祭壇画」は、1432年に完成したファン・エイク兄弟の作品です。

元々は、兄のフーベルト・ファン・エイクが全体の構成・構想を決めて、描き始めたと言われています。しかし、制作の途中で兄は死亡してしまいます。その後、制作を引き継いだ弟のヤン・ファン・エイクによって、ほとんど描かれて完成したとされています。兄が最初に決めた構成なども、弟が途中で変更したので、ほぼヤン・ファン・エイクによって描かれたともいえます。

ただ、私の画家視点で言うと、最初の構成は、作品の土台・構想の根幹となる重要な部分なので、制作手数が少なくても兄の役割は大きかったと思います。

1432年「へントの祭壇画」 油彩 ファン・エイク兄弟

この作品は、祭壇画になっていて、左端2列のパネルと右端2列のパネル(計8枚)が開閉(観音開き)するものです。この画像は、開いた状態です。

描かれている内容を説明します。

パネル上段7枚には、中央にイエス(あるいは神とも解釈)、左右にマリアと洗礼者ヨハネ。マリアとヨハネの外側には、神を称える歌や楽器を奏でる天使たち。左右の両端はアダムとイブ。

パネル下段5枚には、中央に「ヨハネによる福音書」に書かれている神秘の子羊(罪を贖うイエスの象徴)。その周辺には天使たちと、子羊を礼拝する人々。礼拝する人々は、キリストの騎士、預言者、殉教者たち、神秘の子羊、殉教者女、12使途、ローマ教皇、修道士、巡礼者。

装飾品、毛髪など、徹底した細部への描き込み

「へントの祭壇画」は、どこを切り取っても、もの凄く徹底して細かく描いています。部分の拡大図をいくつか見ていきましょう。

下の拡大図は、パネル上段中央のイエスの頭部ですが、装飾品、毛髪など、細部への徹底した描き込みが見られます。

下の拡大図は、パネル上段の中央左の合唱する天使ですが、衣装の豪華な生地、宝飾品の描写が際立ちます。

下の拡大図は、パネル下段の中央左のキリストの騎士の白馬です。毛の1本1本まで描かれているたてがみ、馬具の質感。柔らかさと硬さの描き分けが見事です。

冒頭で触れたとおり、ヤン・ファン・エイクは、油彩技法を確立した画家とされています。

この時代には、もちろん現在のようにチューブ入りの油絵の具は存在しませんでした。

当時は、画家自身が描くときに「顔料」(色の粉)を「乾性油」で溶いて、サラサラの状態で、白い地塗りを施した板に塗っていきます。それが乾いたら、さらに塗り重ねていく、ということを繰り返していました。これにより、ファン・エイクの作品のように細密な描写や、透明感のある油の塗膜が形成され、深い色合いを実現しました。それまで主流だった絵画技法のフレスコ画やテンペラ画ではできない表現でした。

この記事をご覧になっていて
ファン・エイクのように
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次の記事をお勧めします。

「ファン・デル・パーレの聖母子」絵で病名がわかった

「ファン・デル・パーレの聖母子」この絵は、中央に聖母子、左右に2人の聖人。左は司教の聖人、右は甲冑をつけた聖人。右の白衣の跪いている男性は、この絵の依頼主ファン・デル・パーレです。聖堂に寄進するためにファン・エイクに制作を依頼しました。右の聖人ゲオルギウスが聖母子にファン・デル・パーレを紹介している場面です。

1436年「ファン・デル・パーレの聖母子」油彩 ヤン・ファン・エイク


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病名が判断できるほどの描き込み

実は、ファン・デル・パーレは、この時に病気になっていて、余命いくばくもなかったのです。

現代の医師が、ファン・デル・パーレの側頭部や手を見て、病名を判断できたそうです。それだけ頭部の血管部分や皺や腫れ、それらを緻密に写実的に描写しているということですね。ちなみに病名は「側頭動脈炎」とのこと。

兜の写り込みに聖母子が4体

聖ゲオルギウスの脱いだ兜を良く見てみると、4つの丸みのひとつひとつに、なんと聖母子が4体、そして窓の反射が描かれています。ファン・エイクは、鑑賞者が気づかず見ていないような所にも、画家の拘りか、信仰心か、執念なのか、、徹底的に描かずにはいられなかったのだと思います。このように、画家の強い念が入っているような描き込みは、鑑賞者が気づかなくとも、間違いなく絵に力を持たせることになります。


「ロランの聖母子」近景も、中景も、遠景も、描き込む

これは、ブルゴーニュ公国(今のフランス東部~ドイツ西部)宰相ロランからの依頼で描いた聖母子。右に聖母子が、左にロランが描かれて聖母子に祈りを捧げています。

1435年「ロランの聖母子」油彩 ヤン・ファン・エイク

近景も、中景も、遠景も、描き込むけど、まとまっている絵

この絵で特に見るべき部分は、室内の近景と、窓から見える中景・遠景への描き込みです。

近景は、もちろん描き込みするでしょうけど、中景・遠景も相当描き込んでいます。まず、中景ですが、中央に風景を眺めている2人の人物がいます。そして、その先に川と橋、中洲の島、建物もしっかり描かれて魅力的な風景として描かれています。

これは、空気遠近法を巧みに活用しているので、描き込みながらも、遠近感はしっかり表現できて、絵としては、まとまっています。

<あわせて読みたい>
空気遠近法は、実際に油絵で簡単に描くことができます。
ご興味の方は、以下の記事で解説していますので
ぜひご覧ください。

また、橋の上などに人々が描き込まれています。描かれた人々は3000人とも言われています。そして遠景ですが、山々もしっかり描かれているのですが、青みがかって、かすんだような描写をしています。この部分で、空気遠近法の活用がわかりますね。これにより、描き込んでもしっかり遠近感を表すことができています。

画面の隅々まで、近景・中景・遠景、どこも細密に描写していますが、主役への描き込み具合の調整や、空気遠近法で遠近感を持たせることにより、絵の主題、見せたい部分をしっかり表現して、まとめています。細密描写だけではないファン・エイクの力量を感じますね。

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