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こんにちは、画家の佐藤功です。
前編の明治時代の画家たちの記事に続いて、
後編は、大正時代の画家たちの記事を書きます。
まだ、前編を読んでない方は
先に前編を読むことをお勧めします。
明治時代に日本洋画の基礎が築かれた後、
その流れは大正時代に引き継がれ、
さらなる進化を遂げました。
大正時代は、
西洋美術の進化成熟が見れられ
多くの新しい表現手法や
スタイルが生まれた時代です。
明治時代の洋画家たちが
日本に西洋の技法を持ち込んだことで、
その次の世代の画家たちは、
より自由な発想で
独自の表現を追求しました。
この記事では、
大正時代に活躍した有名な洋画家たちに
フォーカスします。
そして、彼らが
日本の美術に与えた影響から
明治から大正へと続く
日本洋画の発展の流れを見ていきます。
目次
明治時代の有名な洋画家
岸田劉生(きしだ りゅうせい)
生没年: 1891年-1929年
岸田劉生は、
日本の写実主義を代表する画家であり、
その緻密な描写と
独特の世界観で知られています。
岸田は、黒田清輝に師事していましたが
ゴッホ、ゴーギャンや
デューラー、ファン・エイクらの
作品の影響を受け
自己表現、写実的表現に
目覚めます。
対象の内面性とともに
細部まで徹底的に描き込まれた
写実的なスタイルが特徴です。
特に娘を描いた『麗子像』は、
日本絵画の歴史の中でも
名作とされており、
誰もが一度は
知ることと思います。
そのリアリズムと
独特の感情豊かな表現が
高く評価されています。
梅原龍三郎(うめはら りゅうざぶろう)
生没年: 1888年-1986年
梅原龍三郎は、
フランスに留学、ルノワールに師事しました。
印象派やルオーなど
フォービズムの影響も受け
鮮やかな色彩と力強い筆致が特徴です。
彼の作品は、
薔薇などの静物画、
国内外の風景画が多く、
色彩の美しさが際立っています。
多数描かれている「薔薇」では、
力強いタッチと鮮やかな色彩が組み合わさり、
独特の迫力を持つ作品となっています。
また、梅原龍三郎は
国内外で高い評価を受けています。
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安井曾太郎(やすい そうたろう)
生没年: 1888年-1955年
安井曾太郎は、
フランス留学を経て、
日本に帰国後、
写実的な肖像画で名を馳せました。
梅原龍三郎と並び、大正・昭和を
代表する画家として評価されています。
彼の作品は、
対象人物の内面を表現する
力強いタッチと、
繊細な色彩感覚が特徴です。
代表作「金蓉」は、
その精緻な描写と人物の個性(※)が
見事に表現された名作として
知られています。
(※)モデルは、上海総領事の令嬢で
五か国語を操る才人
また、彼は画壇でも
指導的な役割を果たし、
多くの後進を育てました。
中村彝(なかむら つね)
生没年: 1887年-1924年
中村彝は、幼くして両親、
10代で兄弟を亡くし
病弱な体を抱えながらも、
精力的に制作活動を行いました。
彼の作品は、
力強いリアリズムで知られていますが
感情豊かで深い精神性を
感じさせるものが多く、
特に「自画像」が有名です。
彼は画壇の外に身を置きながらも、
個性的なスタイルと力強い表現で
強い存在感を放ちました。
37歳で病没。
小出楢重(こいで ならしげ)
生没年: 1887年-1931年
小出楢重は、
東京美術学校 西洋画科に不合格のため、
日本画科に入学しました。
のちに洋画に転向。
短期間の渡仏経験から
印象派や後期印象派に触れながらも、
西洋画の単なる模倣ではなく
日本独自の画面構成、色彩感覚を
追求した画家として知られます。
彼の作品は、
温かみのある色彩と柔らかなタッチ
どことなくユーモアを感じさせる
画風が特徴的で、
「Nの家族」は、その代表作です。
小出作品は、大正時代の洋画界の中で
独自の発展がみられます。
また、優れた随筆を残しています。
佐伯祐三(さえき ゆうぞう)
生没年: 1898年-1928年
佐伯祐三は、
夭折の画家として知られていますが、
その短い生涯にもかかわらず、
日本洋画史に強烈な印象を残しました。
東京美術学校で、藤島武二に師事しますが、
卒業後、フランスのパリに渡り、
独自の表現を模索しました。
フランス滞在時に
フォーヴィスムの画家ヴラマンクの影響を受け、
彼の作品は、荒々しい筆致と
独特の重厚な色使いが特徴で、
パリの街角や建物を描いた
「パリ風景」シリーズが有名です。
佐伯は、フランスで、フォービスムなど
前衛的な画風を取り入れつつ、
日本人としての感性を融合させた
独自のスタイルを確立しました。
まとめ
大正時代は、
明治時代に確立された
洋画の基盤がさらに発展し、
表現の幅が広がった時代でした。
前編で紹介した明治の洋画家たちが、
西洋からの技法を取り入れて
日本に洋画の土台を築いたことで、
次の世代の大正時代の画家たちは、
より自由で多様な表現を
追求することができました。
興味深いのは、明治に西洋画の
土台を築いた東京美術学校、
黒田清輝、藤島武二らから
指導を受けながら
その後、全く違う独自表現へ向かう
画家たちが多い、ということです。
明治時代の黒田清輝、藤島武二らが
アカデミックと印象派の流れを
汲んだ穏健な画風だとしたら
(「外光派」と呼ばれる)
岸田劉生は、
内面性を伴う緻密な描写に
基づいた独自の写実表現。
小出楢重は、
独自の画面構成や色彩
温かみのある筆致、
どこかユーモラスな作品。
そして、佐伯祐三の
自身の内面を打ち付けるような
荒々しいタッチで
パリの風景や人物を描いた。
特に、彼らのような例が、
大正時代の画家を象徴しています。
(そのほかにもいますが)
大正時代は、
社会や文化の変動が激しい中、
個人の内面や感情、
そして独自の視点を重視した表現が
注目されるようになります。
この時代の洋画家たちは、
単なる技術的な模倣ではなく、
個性を前面に押し出した
作品を生み出しました。
大正時代の洋画家たちが
描いた多様な表現の流れは、
昭和以降にも引き継がれています。
そして、今日では、日本の絵画表現は
画材やアナログ・デジタルなどの
表現手段も含めて、
さらに多様化、細分化され、
個人の主観を前面に出した作風が
主流となっています。
これも、明治・大正時代の画家たちが
西洋画の礎を築いて、発展させ、
今日の日本の美術界に礎とも言える
重要な役割を果たしたことが
影響していると言えるのではないでしょうか。
※追記
今日、洋画、日本画などの境目も
曖昧になってきているように思います。
さらに個人ごとの作品を見ても
絵柄、表現の違いが明確です。
アナログ、デジタルの違いも含めて。
明治・大正時代の画家たちの作品と
今日の画家たちの作品を並べたら、
今日の画家たちの作品の方が
多様性が顕著だと思います。
このような背景には、
現代では、インターネットなどで、
触れる情報量が急激に増えたことが
影響していることが考えられます。
明治時代の洋画家たちについては、
次の記事【前編・明治】をご覧ください。
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