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油絵 溶き油を使わないで描けるの?【結論:描けます】描き方と注意点を解説|厚塗りするには?

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こんにちは、画家の佐藤功です。

油絵を描く際、一般的には、
ペインティングオイルなど、溶き油を使いますが、
「溶き油を使わないで描きたい」
と考える人も少なくありません。

結論から言うと、
溶き油を使わないで、
油絵を描くことはできます。

溶き油を使わないで描きたい
という人の理由は、
主に次の3つだと思います。

この記事では、
1.~3.の解決方法を、私なりに解説しています(^^
目次から、あなたが知りたい項目を選んで
読んでみてください。

私は、今まで画家として
沢山の油絵を制作してきましたが
様々な溶き油を使ったり、
全く溶き油を使わなかったり
いろいろ研究的にやってきました。

その中で、上手くいったこともあれば、
ひび割れや剥離などを起こして、
泣く泣く絵を処分してしまったこともあります。

これらの成功や失敗から
学んだことが沢山あります。
私が、実際に経験して改善してきた中から、
溶き油を使わないで描く方法を
書いていますので、実用的だと思います。
ぜひ参考にしてください。

<あわせて読みたい>

油絵の具の物質感を生かして
厚塗りしたり、盛り上げたり
といった描き方をする人はよくいますね。

私も以前は、厚塗りに凝って
制作していた時期がありました。

チューブから出して、
物質感が強い固練り状態のままで、
絵の具を盛り上げたいですよね。
溶き油を使わずに。

油絵の具には、
絵の具を固着させる成分である
乾性油が含まれていますので、
チューブから出したままでも
描くことはできます

ただ、チューブから出した絵の具だけだと
固着が弱く、光沢も少ないです。
特に厚塗りをする場合は、
ひび割れ、剥離を起こすリスクが高まります。

ですので、油絵の具をチューブから出したままで
描くのは、正直おすすめしません。

こういったリスクを回避するやり方が
いくつか、あるので説明します。

一番簡単なのが、
油絵の具の固着を補助する
メディウムを混ぜる、です。

ペースト状や、ゲル状のメディウムは、
絵の具の粘度を維持したまま
油絵の具の固着を補助します。
ですので、厚塗りがやりやすいです。

いくつかメディウムを紹介しますが
これ以外にも、色々あるので
自分に合ったものを探してみてください。

<ストロングメディウム>
厚塗りしても、強靭な塗膜を作ります。
私も厚塗り時に、よく使っていました。
混合比に制限はありませんが、
混ぜすぎると、色の効きが弱くなので
絵の具に対して、3割位を限度にした方が良いです。
マットなので、ツヤが欲しい場合は、
次に紹介する
ストロングメディウムのグロスを使うとよいです。
または、乾性油を混ぜるとツヤが出ます。

<ストロングメディウム グロス>
ストロングメディウムのグロス(ツヤあり)です。
ツヤが欲しい場合は、こちらを使用するとよいです。

<超速乾メディウム>
ストロングメディウムを混ぜて、厚塗りした場合、
乾燥が遅く感じることがありました。
その場合、さらに超速乾メディウムを
少し混ぜると(1割ほど)、乾燥を速めます。

油絵は、
保管場所の温度・湿度の変化や
伸縮しやすいキャンバス(布)に
描いているかなどで、
ひび割れ、剥離を起こす
リスクが変わってきます

特に、キャンバスは布なので
どうしても温度・湿度による
伸縮幅が大きい
ので、
油絵の具をチューブから出したままで描くと、
ひび割れ、剥離のリスクが高くなります。

保管場所の温度・湿度は
美術館でもない限り
一定に保つのは難しいですよね。

解決策のひとつとして、
温度・湿度による伸縮が少ない
木製パネルに描くとよい
です。
キャンバスに比べて
ひび割れ、剥離のリスクは
かなり低くなります。

※ただし、木製パネルに描くとしても
油絵の具にメディウムを、
混ぜることはおすすめします。

<木製パネル シナベニア>
木製パネルに、ジェッソなどの下地剤を塗って描きます。

<ミュー・グラウンド 下地剤>


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油絵を溶き油を使わずに、
描く方法を説明しましたが、
油絵の具をチューブから出したまま塗っても、
必ずしも、ひび割れ、剥離を起こす
とは限りません。
諸条件にもよります。

もし、油絵を好きに楽しんで描きたい!
のであれば、
あまり難しく考えなくてよい
と思います。

練習用に描くとか、
数年先の絵の保存状態まで気にしないのならば、
油絵の具をチューブから出したまま塗ってOKです!

油絵の溶き油には、たくさんの種類があって
それだけで、わけがわからなくなりますよね。

その難解さが
油絵制作のハードルを上げているように思います。

溶き油の使い方がわからないから、
油絵の具だけで描こう、
という気持ちはわかります。

でも、溶き油を使うと表現の幅が
グッと広がります。

光沢の出し方を調整したり、
色の深みを出したり
油絵特有の古典技法を使ったり
と様々な表現が可能になります。

溶き油の使い方がわからない。
だから、油絵の具だけで描く。
というのは、
油絵の楽しさを、十分味わえていないので
とても、もったいないと思うのです。

ごく簡単いうと、初心者は
溶き油を、2種類だけ使えば大丈夫です。
詳しくは、次の記事で
わかりやすく解説しています。
ぜひ、溶き油を使って
油絵を描いてみてくださいね。

これは、費用を抑えたいということですが、
結論から言うと、
溶き油を使って描いてくださいね
(^^;
ということになります。

一応、費用を抑える案として、
溶き油の代用品を使う、があります。

溶き油のひとつである
乾性油の「リンシードオイル」は、
食用として販売されている
「亜麻仁油」と同じオイルです。

価格的には、どちらも同じくらいですが
食用の「亜麻仁油」の方が
若干割安なものがあるようです。

これを溶き油の代用として
費用を抑えることはできそうですが、
画材用と食用の精製方法の違いで
期待したように
乾燥(固化)しない可能性も考えられます。

私は、食用の「亜麻仁油」で
油絵を描いたことはないので
何とも言えないです。
描いてみたい気もしますが(笑)
使う場合は、自己責任でお願いしますね(^^

ちなみに、
サラダオイルは、半乾性油、
オリーブオイルは、不乾性油、
といって乾燥(固化)しないので、
油絵の溶き油としては使えません。

前述しましたが、
溶き油を使わなくても、油絵は描けますが、
溶き油を使うと表現の幅が
グッと広がります。

溶き油は、数百円~数千円ですが、
きっと、価格以上に油絵の楽しさが味わえます。

ぜひ、使ってみてくださいね。


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