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油絵の具の特徴をわかりやすく解説|他の画材との違いとは?油絵の具の魅力とは?

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こんにちは、画家の佐藤功です。

油絵の具は、
その独特な質感や表現力の豊かさから、
歴史的にも、多くの画家が名画を残しています。

油絵の具には明らかに
他の画材とは一線を画する
特徴がある
と思います。

現在も、初心者からプロまで
幅広い人々に使われていますが、
そのことから、
魅力的な画材であることがわかります。

この記事では、
油絵の具の特徴や魅力、メリット,デメリット
をわかりやすく解説
します。


私自身は、油絵の画家として
長年、油絵の具に触れてきました。
その経験から、
この記事では、
リアルで実践的な情報を
お伝えすることができます。

油絵を始めたい方や
他の画材との違いを知りたい方にとって
油絵の具を身近に感じる
きっかけとなれば嬉しいです。

油絵の具の特徴は、たくさんありますが、
他の画材に見られないような
代表的な特徴7つを解説します。

油絵の具の特徴は、
これらを覚えておけばOKです!

油絵の具は、
水彩やアクリル絵の具とは違い、
水で絵の具を溶きません。

油絵の具は、
「溶き油」を使って溶いて、
濃度や流動性を
細かくコントロールします。

作品や制作段階に応じて、溶き油を
多めにしたり、少なめにしたりします。
また、技法によって、
溶き油の種類を変えることもあります。

<あわせて読みたい>
溶き油の詳しい解説は
以下の記事をご覧ください。

油絵の具の、一番わかりやすい特徴は、
絵の具自体が非常に粘り気があり、
物質感が強い
ことです。

その質感は、
よくマヨネーズの固さに例えられます。
(マヨネーズより少し固い)

水彩やアクリル絵の具に慣れている方は
この物質感に、新鮮さと驚きを
感じるかもしれません。
(美術学校に、入学時の私がそうでした笑)

この粘度の高さにより、
筆跡をくっきり残せたりと、
立体感のある表現が可能
となります。


絵の具の物質的な存在感は、
油絵ならではです。
視覚だけでなく触覚的な魅力も与えます。

油絵の具は、他の画材と比べて、
群を抜いて、厚塗りが容易
です。

これは、油絵の具の
乾燥の仕組みが影響しています。

油絵の具は、乾燥する際
絵の具中の油(乾性油)が、
酸素と結合(酸化重合)して固化するため、
絵の具の体積が減らないのです。
これにより、厚塗りがしやすい
のです。

水彩やアクリル絵の具などは、乾燥する際、
絵の具中の水分が、蒸発するので、
絵の具の体積から、水の体積分が減ります。
このため、ほとんど厚くならない
のです。


油絵には、特に厚塗りを用いた
インパストという技法もあり、
立体感やボリューム感を表現できて
ダイナミックな仕上がりになります。

油絵の具は、やろうと思えば
重ね塗りをして、
1~2cm、それ以上の盛り上げも可能です。

油絵の具は、
独特の透明感や、深みある色彩を
表現できることが大きな魅力です。


絵の具を、薄く塗り重ねることで、
下の色を透かして見せながら、
複雑で豊かな色合いを
生み出すことができます。

また、絵の具を厚く塗ると、
その色の強さや鮮やかさが際立ち、
画面全体に力強さを与えます。


油絵ならではの色彩表現により、
作品に透明感や深み、奥行きを
与えることができます。

<あわせて読みたい>
油絵の具の組成や
色の見え方の仕組みは、
以下の記事をご覧ください。

油絵の具は、
乾燥すると、自然な光沢が出るのが特徴です。

これは、絵の具や溶き油に含まれる
乾性油や樹脂の影響です。
溶き油を適切に使うことで、
表面に美しい光沢が現れ、
作品が一層魅力的
になります。

また、溶き油やニスの使い方次第で、
自然な光沢を出す、
強い光沢を出す、
マットにする、
など、いろいろと調整できます。

油絵の具には、独特の匂いがあります。
これは、溶き油の原料となる
松脂や石油系の匂いが殆どです。


この匂いは、人によって
好みがありますが、
殆どの人は、最初だけで
慣れてしまうと気になりません。

(私は、この匂いは好きです!)

換気を十分にしていれば
問題ない
と思います。

ただ、中には強く感じる人もいるので、
その場合は、
無臭やラベンダーの香りの
溶き油を使う選択肢もあります。


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油絵の具は
乾燥に時間がかかります。

通常、表面が乾くまでに
およそ1~5日ほどかかり、
完全乾燥するまでには
半年~年単位かかります。

乾燥が遅いことは、
じっくり丁寧に制作を進めれる、
修正がやりやすい、
という利点
でもあります。

完成までは、
計画的に作業を進める必要がありますが、
乾燥剤で、乾燥を速めることもできます。

<あわせて読みたい>

油絵の具は、
表現力の豊かさが抜群で
大きなメリット
です。


絵の具を、薄く塗り重ねることにより
色の透明感や深みが出せることや、

物質感を生かした厚塗りでも、
他の画材では難しい

ダイナミックで迫力ある表現が可能です。

そして、乾燥の遅さを利用して
時間をかけた
丁寧で繊細な表現ができること。

これだけでなく、油絵には、
古典技法を含め、様々な技法があり
表現の幅が、非常に多彩
です。

<あわせて読みたい>
油絵技法については、以下の記事をご覧ください。


油絵の具は、乾燥後に
強い塗膜を形成するため、
長期間保存できるのも大きなメリットです。
これは、歴史が証明しているように
多くの油絵の名画が残っています。

適切に保管すれば、
何百年もその美しさを保つことができ、
歴史的な名画が、今も鑑賞できるのは、
油絵の具の耐久性のおかげです。

油絵の具の大きなデメリットといえるのは
乾燥に非常に時間がかかることです。

表面の乾燥までに、
およそ1日~5日かかるため、
完成までのプロセスが
長引くことがあります。

急いで仕上げる必要がある場合には、
他の画材に比べて不便です。

ただ、これは見方を変えると
丁寧に制作ができる
メリットとも言えます。
特にグラデーションは
乾燥時間を気にせず、やりやすいです。


あとは、後片付けが、大変です。
油絵の具は、
水で洗い流すことができないので、
道具類の汚れは、
基本的には油絵用の溶剤で
洗ったり、ふき取ります。

特に筆などは
しっかり洗わないと
絵の具が固まって
次回使えなくなってしまいます。

また、衣服に付いて
気付かずに固まってしまうと、
非常に取りにくくなります。
専用の溶剤で取る必要があります。


油絵の具は、
水彩やアクリル絵の具に比べて
後片付けが、手間となる
ことが多いです。

油絵の具の特徴、
メリット、デメリットを解説しましたが
いかがだったでしょうか。


油絵の具は、
長い歴史の中で、描法が継承されながら
技法や材料も多様に発展してきました。
それが、現在の油絵の
表現力の豊かさにつながっています。

油絵の具は、
初心者でもプロでも、楽しめる画材であり、
その奥深さを知るほどに
新しい表現の可能性が広がります。

少しでも、絵画の世界に興味のある方、
他の画材では得られない
表現を追求したい方にとって、
油絵の具は、間違いなく魅力的な選択肢
です。


この機会に是非
油絵の世界に
一歩踏み出してみてください。

きっと、描くたびに
気持ちも豊かになっていきます。


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