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油絵の有名な人物画を知ろう|厳選8作品 画家目線でわかりやすく読み解く

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こんにちは、画家の佐藤功です。

今回は、
人物画の読み解き方について
解説記事を書きます。

ルネサンス以降の美術史を見てみると
絵画作品の中でも、
人物が描かれている絵画が
メインストリームにあるように思います。

人物が描かれていると言っても、
歴史画、肖像画、風俗画など
様々なジャンルがあります。
人物画とは、
ただの似顔絵的な肖像画ではありません。

人物の表情、佇まい、そして背景には、
普遍的なメッセージや感情が
込められていることもあります。

描いた画家は、対象の外見だけでなく、
その内面や精神性、
さらに社会背景や時代性をも表現し、
観る人に、深い洞察や気付きを与えます。

これら感情や精神性、時代性などを伝えるため、
作品に描かれた構図、色彩、光と影、
筆致など、要素ひとつひとつは、
緻密に組み立てられています。

この記事では、美術史の中で
タイプが違う有名な人物画を8作品厳選し、
それぞれの魅力を
私の画家として視点から
わかりやすく独断(笑)で解説します。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」から、
ムンクの「叫び」
そしてカラヴァッジョの「聖マタイと天使」、
ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」まで

各作品に込められた技法や背景、
そして精神性を読み解きながら、
人物画が持つ魅力を
探っていきたいと思います。

<あわせて読みたい>

制作年: 1503-1506年頃

「モナ・リザ」は、世界で最も有名な
人物画と言えますね。

イタリア・ルネサンスを代表する
レオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれました。

この作品のモデルは、
フィレンツェの裕福な商人の妻、
リザ・デル・ジョコンド
だとされています。

しかし、彼女の微笑や
背景に描かれた風景は謎が多く、
描かれた人物は、
理想の女性像や喪に服す女性説、自画像説、
背景も、実在しない空想上の風景、
との説もあります。

この肖像画は、
制作には数年が費やされて、
依頼主に納品されず、
ダ・ヴィンチは生涯にわたって
作品には、常に修正を加えながら
持ち歩いたと言われています。

レオナルド・ダ・ヴィンチにとって
「モナ・リザ」は単なる依頼作品ではなく、
技法の実験的な場でもあったようです。

特に、「スフマート」という
輪郭線をぼかして描く技法や、
遠くの景色に靄(もや)がかかったように
色調を変える「空気遠近法」によって、
柔らかくリアルな陰影と、画面の奥行きが生まれます。
これらの技法により、
モナ・リザと背景が
溶け込むように自然に見えて、
同時に、表情が見る角度によって
異なる印象を与える効果があります。

絶妙な陰影と、
繊細な表現によって放たれる
謎めいた雰囲気が、
高い技術力を示しています。

制作年: 1665年頃

「真珠の耳飾りの少女」は、
ヨハネス・フェルメールの代表作の一つであり、
バロック期オランダの人物画の傑作です。

この作品は、
少女の神秘的な表情と、光の表現が特徴で、
北のモナ・リザとも称されています。

しかし、モデルとなった少女が
誰なのかについては、
正確な記録は残されていません。

フェルメールは、市井の人々を
モデルにすることが多かったため、
家族や知人を描いた可能性も考えられます。

少女が身に着けている
真珠の耳飾りや青いターバンは
異国情緒を感じさせ、
市井の人々なのかどうか
さらに謎めいています。

この作品と題材とした映画
「真珠の耳飾りの少女」では、
少女は、フェルメール家の
使用人として登場しています。

映画では、モデルが実在する設定ですが、
実作品では、特定のモデルはいなく
理想化された女性を描いている、
とも言われています。

技法的には、フェルメールは、
光を玉のように扱うポワンティエ技法で知られ、
少女の瞳や唇、耳飾りに当たる
柔らかな光の玉が、表情を際立たせて
背景の暗さとのコントラストが
作品に静謐さと奥行き、親密さを
与えている
ようです。

こちらに、まっすぐ見つめている視線も、
語りかける瞬間のようであり、
静謐でありながらも強い存在感が
作品の魅力となっています。

<あわせて読みたい>
ポワンティエ技法の詳細は、次の記事を参照してください

制作年: 1876年

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は、
活気と幸福感に満ちたルノワールの代表作です。

この作品は、
当時のパリ・モンマルトルのダンスホール
「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」に集う
人々の楽し気な様子を描いています。

ルノワールの友人たちがモデルとなり、
陽光に照らされた舞踏会の場面が
明るい雰囲気で描かれています。

描かれた人々は、
実際の友人・知人であることから
単なる群衆ではなく、
それぞれの表情は個性を持ち、
その瞬間に実在していることを感じさせます。

そして、色彩の豊かさ、鮮やかさが、
作品の魅力をさらに引き出しています

彼が描いた作品は、どれを見ても、
人々の生命感や幸せと喜びに満ちた瞬間をとらえて
絵画に描き出しているように思います。

しかし、ルノワール自身の人生は、
常に幸福というわけではなく
若いころの経済的困難、
家族の不幸や自身の健康問題など、
幾多の苦労がありました。

そうした中でも、絵画の制作においては
このような苦しみに目を向けるのではなく
愛すべきもの、美しいもの、楽しいもの、
それらにフォーカスした表現がされています。

このように描かれた絵は、
観る人に喜びや幸福感を感じさせる力を持っており、
特に「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は、
ルノワールの絵画への情熱や
彼の周囲の人々への愛情が
結実した作品と言えるのではないでしょうか。


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制作年: 1893年

「叫び」は、表現主義(※)の先駆けとされ、
感情を色彩や形態で
直接的に表現しているのが特徴
です。

(※)表現主義とは、
感情や精神などの内面を
作品に表現する考え方のことです。

「叫び」は、ムンク自身が
精神を病んでいたときに、聞こえてきた幻聴から、
不安におののき耳を塞いている場面です。

強烈な精神的苦痛や不安を表現した
インパクトのある作品です。

激しい曲線や血のような色彩で
描かれた空や風景、
そして極端にデフォルメされた人物が、
内なる不安や恐怖を視覚的に伝えます。

ムンク自身の精神発作時の経験を
元に制作されていますが、
人間の深い心理的苦悩が
込められているのかもしれません。

<あわせて読みたい>
ムンクの「叫び」のさらに詳しくは、次の記事を参照してください

制作年: 1599-1600年

カラヴァッジョの「聖マタイと天使」は、
バロック期の光と影の
劇的なコントラストを生かした
キアロスクーロ技法を駆使した作品
です。

宗教的なテーマながら理想化せず、
ありのまま自然な姿を描く
自然主義的な表現
をしています。

絵は、聖マタイが、天使から啓示を受け、
聖書を書く姿が描かれています。

天使が聖マタイを導くように指を差し、
マタイはその啓示に驚きながらも
真剣な表情で書き進めます。

実はこの作品は、二枚目の作品なのです。
一枚目の作品は、依頼元の教会から
拒否されています(下図「聖マタイと天使」)。
一枚目に描かれた聖人マタイは、
眉間にしわを寄せて不格好な佇まい、
天使もなんだか気が緩んだ雰囲気。
伝統的なキリスト教の図像に相応しくない。
といった理由で拒否されたようです。

「聖マタイと天使」現在は消失

二度目の作品は、
聖人マタイと天使の佇まい・衣装には
威厳がありますね。
でもまだ、マタイの足の裏が汚れている、
膝を置いた椅子が、落ちかけている。
など相応しくないとの指摘もあります。

当時の絵画は、
ルネサンスから続く理想化された
人物像を描くことが
あたりまえの価値観でした。
ラファエロやミケランジェロのように。

しかし、カラヴァッジョは、
キリスト教を題材にして
理想化せず、多くの作品を描いています。
そして、彼は、描く作品の
現実的な人物描写と日常の瞬間に、
宗教的な神聖な意味を
吹き込む力を持っています。

「聖マタイの霊感」は、
その技術と表現力を集約した
作品の一つといえるでしょう。

当時、カラヴァッジョの表現は革新的で、
多くの画家がカラヴァッジョの
表現を追随しています。
レンブラント、ベラスケス、アルテミジア・ジェンティレスキ、、、

制作年: 1863年

エドゥアール・マネの「オランピア」は、
19世紀フランスの絵画界に衝撃を与えた作品です。

マネが図らずも、この作品は、
伝統的な女性像の描き方や
当時の社会規範に挑戦したとされ、
激しい非難や論争を巻き起こしました。

「オランピア」とは、
パリにおける娼婦の通称であり、
黒人女性が白人女性の召使として
描かれていることも
非難の対象とされています。

当時の裸体画は、神話や歴史上の
理想化された人物を描くのが通例でしたが、
マネはあえて現代社会に生きる
現実的な女性として描きました。

彼女は裸のまま横たわり、
挑発的な視線で観客を
まっすぐに見つめています。

「オランピア」の背景には、
フランス社会の急速な近代化と、
それに伴うブルジョワ階級の台頭があります。

この新しい社会階層は、
表面的には厳格な道徳規範を
重んじていましたが、
裏では娼婦との関係が一般的なもの
でした。

マネは、そのような側面を暴露し、
表向きの道徳と実際の社会の二面性を提示しています。

観る者は、オランピアの冷ややかな視線に、
その矛盾を見透かされているようです。

技術的な面でいうと
従来の立体的な陰影表現を排除し、
平面的な色彩と、
大胆なコントラストを用いている。
(浮世絵の影響と考えられている)

白い肌とベッド、暗い背景の対比。
オランピアの存在感を際立たせ、
シンプルで強いインパクトを与えています。

「オランピア」は、
単なる人物像でも風俗画でもなく、
その時代の社会状況や問題に対する
メッセージが内包されています。

最後に
「オリンピア」のモデルとなったのは、
マネの友人であり、当時人気モデルだった
ヴィクトリーヌ・ムーラン。
なお、彼女は、後に画家として晩年まで活躍します。

この作品は、その後の社会状況や、
女性の在り方を象徴しているようです。

制作年: 1669年頃

レンブラントは
数多くの自画像を描きましたが、
1669年の「自画像」は、
彼の最晩年に描かれたもので
老齢の画家自身を描いています。

この作品には、
彼の晩年の人生の苦難を経た
深い感情が反映されています。

苦難といっても
彼自身が、若いころからの
浪費癖や異性関係の緩さから
招いた晩年の経済的困窮などでした。

この晩年の作品には、
年齢による疲労や内省的な表情が
強く感じられます。

特徴的な明暗法(キアロスクーロ)を用い、
光と影で顔に劇的な陰影をつけ、
さらに、顔への絵の具の盛り上げと筆致により、
苦難と内省への表情を際立たせています。

それが、観る者の視線を
静かに焼き付けるのです。

レンブラントの自画像シリーズの中でも
1669年の「自画像」は、
熟練した技術と、情念を乗せた筆遣いから
深い心理描写を描き出した
特に印象深い自画像のように思います。

制作年: 1650年頃

ディエゴ・ベラスケスの
「インノケンティウス10世の肖像」は、
肖像画において傑作とされる重要な作品です。

この作品は、1650年頃、
ベラスケスがローマ滞在中に描いたもので、
教皇インノケンティウス10世の
人間性を露骨に表現しています。

赤い法衣をまとった教皇は、
豪華な椅子に深く腰かけ、
威圧的な姿勢と鋭い目つきが
見る者に強い印象を与えます。

見た瞬間に、教皇という聖職者とは
かけ離れた人間性であることが
感じられます。

全く理想化せずに描写された
険しい表情、相手を抉るような眼力、
構えるような姿勢。

それらからは、
単なる権威の象徴としての教皇だけでなく
内面に潜む警戒心や冷徹さ、
野心、猜疑心、不安さ、計算高さ、狡猾さ。
神に仕える身でありながら、
対極にある印象を強く感じさせます

意外なことに、制作当時、
教皇はこの作品に非常に満足し、
内面描写を評価したとも言われています。

ベラスケスは、
対象への鋭い洞察力で
美化・理想化せず、外面、内面とも
本質を抉るように描き出す表現力が
傑出しています。

この作品は、後世の芸術家にも影響を与え、
フランシス・ベーコンのような画家が再解釈し、
現代的な文脈で表現をしています。


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