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こんにちは、画家の佐藤功です。
皆さんは、
描いた油絵や、購入した油絵を、
保管する場合、どうしているでしょうか。
迷ったことはないでしょうか?
油絵は、パッと見た感じでは、
キャンバスに描かれて、頑丈そうなので、
保管方法に、あまり気を遣わなくても
大丈夫そう、というイメージを
持つ人もいるかもしれません。
でも、油絵は、なかなかデリケートなのです。
保管の環境が適切でないと、
変色やカビ、絵の具のひび割れ、剥離など
問題が生じる可能性が高まります。
油絵は適切に保管すれば、
できるだけ良い状態を長く保つことができます。
では、適切な保管方法とは、
ごく簡潔にいうと、
次のことに配慮すればよいです。
直射日光は避ける…退色を最小限に
暗所には置かない…黄変を最小限に
温度・湿度を適切にする…ひび割れや剥離の防止
通気を良くする…カビを防ぐ
額縁、ニスの塗付…虫やほこり、たばこの煙から守る
詳しく説明していきますので
参考にしてください。
<あわせて読みたい>
画学生時代の失敗。無頓着な保管→変色,ひび割れのオンパレード
油絵の保管方法について、
最初に私の失敗した実体験を
お話ししたいと思います。
保管方法が、いかに大事か
わかると思います。
私は、画学生の頃から、しばらくは、
絵を描くことだけに気を取られて
描いた油絵の保管に無頓着でした。
描いた絵は、裏面に重ねて壁に立てたり、
額装後、その箱に入れたままにしたり、
放って置きました。
しかし、何年も放置していた絵を
久しぶりに引っ張り出したら、
絶句しました、、、
絵が黄ばんでいる
ひび割れしている
絵の具が剥がれだした
カビの発生
など
劣悪な保管状態による不備の
オンパレード。
もうそれは、保管方法の重要さを
痛切に感じました。
そこから、
油絵の保管方法について
徹底的に調べては研究しました。
また、このような不備は、
油絵の制作手順、
使う溶き油や材料にもよるので
その辺も徹底的に勉強、研究して
改善していきました。
そして、もちろん、現在では、
このような不備を起こすことは
なくなりました。
このように、私の実体験での
失敗から改善したことを
記事に書いていますので
説得力があり、実用的だと思います(笑)。
この記事を参考に
描いた油絵、購入した油絵を、
良い状態に保ってもらえれば嬉しいです。
油絵の適切な保管方法とは
油絵は、
特に温度・湿度の変化や、光などに弱く
デリケートなものですが、
次の適切な保管方法により、
長く良い状態を保つことができます。
直射日光は避ける…退色を最小限に
油絵の色彩を、長期間美しく保つには、
直射日光を避けることが重要です。
太陽光に含まれる紫外線は、
油絵の具に含まれる顔料(色の成分)の
色を褪せさせる原因となります。
描いた油絵の保管場所は、
直射日光が直接当たらない
場所にしてください。
油絵を壁に飾るなら、
窓からの直射日光を避ける壁にしてください。
また、額縁のアクリル板をUVカットにして
絵を保護するという方法もあります。
これにより、退色を最小限に
抑えることができると思います。
暗所には置かない…黄変を最小限に
油絵を暗い所に保管することは避けてください。
前述の、直射日光は避ける、
と矛盾するようですが、
これは、暗所に保管すると、
油絵の具に含まれる乾性油(固着成分)が
黄色く変色しやすくなります(これを黄変という)。
黄変を防ぐためには、
適度に光がある環境に置くことが必要です。
ただし、前述のように
直射日光を避けることは大前提で、
柔らかい自然光が入る場所が理想的です。
温度・湿度を適切にする…ひび割れや剥離の防止
油絵の具やキャンバスは、
温度・湿度の変化に敏感で、
これらが原因でひび割れや剥離が
発生することがあります。
特に急激な温度変化や、湿度の上昇は、
キャンバスの収縮や膨張を引き起こし、
絵具層の、ひび割れや剥離の原因となります。
保管環境は
温度を20℃程度
湿度を50%程度
に保つことが理想的です。
可能なら、エアコン、加湿器や除湿機を利用して
安定した環境を維持できればよいと思います。
とはいっても、美術館でなければ、
通常の家では、難しいと思います(^^;)
ですので、
熱や湿気がこもる
押し入れや収納、箱などに
入れっぱなしにしない。
また、エアコンやストーブの近く、
加湿器、除湿機の近く、
窓際の壁にかざる、など
温度・湿度の変化が激しい場所には置かない、
という配慮をするので、よいと思います。
ここで、お知らせです。
油絵に興味を持ったあなたへ
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油絵を描いている人、描いてみたい人
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通気を良くする…カビを防ぐ
カビは、湿気が高い環境で発生しやすく、
絵の具やキャンバスに
深刻なダメージを与えることがあります。
カビ発生の初期なら、
拭き取ることができますが、
発生してから長い時間が経つと、
カビの根が、絵の具層、キャンバス生地に
張ってきて、復元が不可能な
深刻なダメージとなります。
カビの発生を防ぐためには、
保管場所の通気性を良くして、
湿気を溜まらせないことが重要です。
描いた油絵を、重ねて壁に立てかけたままや、
額縁に入れたままだと
空気の流れが停滞しています。
定期的に通気の良い場所に
出すと良いでしょう。
額装の場合、裏蓋に通気孔を開ける、
調湿剤を入れておく
という方法もあります。
額縁、ニスの塗付…虫やほこり、たばこの煙から守る
油絵は、虫やほこり、たばこの煙などの
影響を受けやすいです。
油絵の具は、物質感が強い絵の具なので
絵の表面に筆跡やマチエールなど、凸凹があります。
その凸凹に、
虫の死骸や、フン、ほこりが溜まったり、
たばこの煙などで
絵の表面に、黄ばみ・くすみが
生じることがあります。
対策として、手軽なのが
額縁(アクリル板付き)に入れること、
または
油絵専用の保護紙で包むこと、
です。
<あわせて読みたい>
これにより、物理的に絵を守ることができます。
(勿論これらは、前述した、
定期的な通気の必要性があります)
また、乾燥後の油絵に、
ニスを塗布することで
保護層を形成し、
外部の影響を抑えることができます。
(保護目的だけでいうなら
額装していれば、
ニス掛けは不要でもよい。
アクリル板で保護されるので)
※購入した絵の場合は、ニス掛けしているかは、
購入先の画廊や画家に確認すればよいです。
ただ、ニス層が汚れてきた場合、塗り替えは
専門的な知識と技術が必要なので、
専門家に依頼する必要があります。
総合的にケアをして、経年変化を最小限に
以上、油絵の適切な保管方法を
説明しましたが、いかがだったでしょうか。
これらに配慮すれば、
長期間できるだけ良い状態で
油絵を保つことができると思います。
全部を完璧に対策することは
難しいかもしれません。
でも、
全く知らない、全く配慮しない、
に比べると、各段に違うと思います。
できる範囲でよいので、
これらの保管方法を参考に
総合的にケアしてみてください。
私の経験上の、個人的な意見ですが
温度の激しい変化、湿気、
が一番良くない、という印象です。
これらによる不備は、復元が難しい場合が
多いからです。
とはいえ、経年変化を楽しむ
解説した保管方法を、
すべて完璧に対策したとしても
油絵の具の性質上、
どうしても変色など
避けられない変化はあります。
油絵の具に含まれる顔料(色の成分)は
直射日光を避けたとしても
光があれば、少しづつ退色していきます。
油絵の具に含まれる乾性油(固着成分)は
暗所での保管を避けたとしても
乾性油の性質上、経年により
ゆっくり黄変はしていきます。
昔の西洋絵画(油絵)を、見たことがある人は
わかると思いますが
画面全体が、黄ばんでいる、茶色っぽい
作品を良く見かけますね。
これは、顔料の退色や、乾性油の黄変が、
かなり進んでいる、
経年でニスが暗く変色している、
などが考えられます。
例として
レンブラント「夜警」ですが、
ニスの変色により、画面全体が、
暗褐色になったと言われています。
また、細かいひび割れが入っている作品も
良く見かけます。
温度湿度の変化による
支持体(キャンバス、板)の伸縮によることが原因、
と考えらえます。
(勿論、描き方・材料が原因という部分もある)
このような歴史上の名画でも見られるように
油絵は完成直後の状態のまま
何十年、何百年と保つことは、まず難しいです。
油絵を描いてから数年で、
変色や、ひび割れなど
不備が発生するのは問題ですが、
適切に保管したとしても
数十年単位での、色の変化などは
ありうることです。
その辺は、油絵らしい味が出てきたなあ、
と感慨深く感じるなど
楽しむ気持ちが持てると良いですね。
最後にお知らせです。
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