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ゴッホ「ひまわり」の値段58億円|7枚中1枚 SOMPO美術館所蔵|ゴーギャンのための「ひまわり」

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ゴッホ 「ひまわり」の値段とは?

こんにちは、画家の佐藤功です。

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)の作品で有名な

「ひまわり」

ゴッホによって描かれた
花瓶に活けている向日葵をモチーフとする作品は、
7点制作されて、このうち6点が現存しています。
(1点は、第二次世界大戦時の空襲により焼失)

現存する6点の「ひまわり」うち、1点は日本にあります。

新宿のSOMPO美術館に、常設展示しているので、行けば、ほぼいつでも鑑賞できます。

SOMPO美術館の「ひまわり」は、
1987年に安田火災海上(現・損害保険ジャパン)が、
美術品オークション(ロンドン クリスティーズ)で、当時の為替レートで約58億円(最終的な手数料込の金額)で落札しました。

1987年、日本はバブル時代。約58億円という巨額での購入が、
当時、非常に話題になっていました。一方、無駄遣いとの批判もありました。

現在では、オークションで絵画の落札価格は、あたりまえのように数十億~数百億円と高額になっていますが、1987年、「ひまわり」が58億円で落札されたことは、当時の絵画の落札価格としては史上最高額でした。この時代、バブルの日本は、金に物をいわせて企業買収やアートなど買い漁っていると世界中から批判がありました。また、欧米人からは日本人のことを「エコノミックアニマル」(経済的利潤ばかりを追求する動物。各国の文化や歴史を尊重しないとの意もあった)と揶揄される言葉もありました。しかし、この「ひまわり」の落札額をきっかけに、絵画の値段はどんどん高額になっていきます。近年のオークション落札額では、2017年、レオナルド・ダ・ヴィンチ作とされている「サルバドール・ムンディ」の約510億円、2015年、パブロ・ピカソ作「アルジェの女たち バージョンO」の約215億円などがありますね。

ゴーギャンを歓迎するための「ひまわり」

ゴッホが、花瓶に活けている向日葵を描いたのは、温暖な南フランスのアルル滞在時でした。
ゴッホの構想では、アルルで画家仲間と共同生活をしながら、経済的にも自立できるような共同体をつくりたかったようです。そこでは、画家達は制作に集中できて、経済的にも自立できるような計画でした。

「ひまわり」は、ゴッホにとって、太陽やユートピア(共同体)の象徴であったと言われています。花瓶に生けた向日葵の本数は、アルルでの共同生活に誘った画家仲間(画商の弟「テオ」を含む)の人数という説があります。

しかし、実際、アルルにやってきたのは、ゴーギャン一人だけでした。

「ひまわり」が、同じような構図で複数枚制作された理由は、

・ゴッホが、アルル近郊の広大な向日葵畑を目にしていたこと。
・アルルにやって来るゴーギャンが、ゴッホの向日葵の絵を高く評価していたこと。
・ゴーギャンが、アルルに来ることを決めてから、歓迎するために複数枚描いた(共同生活の拠点「黄色い家」の部屋を飾るため)。

ようです。

このように「ひまわり」は、アルルでゴーギャンと共同生活する「黄色い家」を歓迎する意味で飾りました。しかし、ゴーギャンとの共同生活は、トラブルが絶えず、わずか2か月ほどで終焉となります。

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7点の「ひまわり」とは

7点制作された「ひまわり」とは、どのようなものでしょうか?現在は、世界中に散らばっていますが、画像とともに簡単に説明します。

1.【アメリカ】(個人蔵)の「ひまわり」
2.【日本】芦屋の「ひまわり」
3.【ドイツ】ノイエ・ピナコテークの「ひまわり」
4.【イギリス】ナショナルギャラリーの「ひまわり」
5.【日本】SOMPO美術館の「ひまわり」
6.【アメリカ】フィラデルフィア美術館の「ひまわり」
7.【オランダ】ファン・ゴッホ美術館の「ひまわり」

1.【アメリカ】(個人蔵)の「ひまわり」

現存6点中、唯一、美術館に収蔵されていない「ひまわり」。1948年、おそらくアメリカの個人コレクターが購入した、という記録を最後に、その後の所在は不明。世界中のどこかには存在しているはず。

2.【日本】芦屋の「ひまわり」

1945年、第二次世界大戦の空襲で焼失。武者小路実篤らを中心とした文化人・芸術家たちが、ゴッホら西洋絵画を日本に紹介しようとして購入した。実際の購入は、彼らの支援者で実業家の山本小彌太。山本小彌太の芦屋の自宅に「ひまわり」を保管していたところ、空襲で焼失した。

3.【ドイツ】ノイエ・ピナコテークの「ひまわり」

ゴッホは、意図的に明るい水色の背景に、明るい黄色の向日葵を描いた。水色と黄色の補色関係の対比がある。明度と高さと、色相の対比により、向日葵の生命力と画面全体の華やかさを狙ったようだ。前述の2.【日本】芦屋の「ひまわり」と比べて、飛躍的に画面の調和と華やかさが出ている。

4.【イギリス】ナショナルギャラリーの「ひまわり」

前述の3.【ドイツ】ノイエ・ピナコテークの「ひまわり」は背景が水色だが、ゴッホは、この「ひまわり」では、意図的に背景を淡い黄色にしている。向日葵、花瓶、背景、すべてを、黄色で統一して独自性を狙って描いた。画家視点で言うと、同系色でまとめる絵は、地味になりがちで難しいが、この絵では狙いが成功し、調和がとれている。生命感、華やかさもあり、素晴らしい「ひまわり」。

ただ、私個人の感想としては、この「ひまわり」の画像だけで実物を見ていないが、次に紹介する 5.【日本】SOMPO美術館の「ひまわり」の方が、作品としての重厚感や絵の具の密度があると思う。

5.【日本】SOMPO美術館の「ひまわり」

前述の4.【イギリス】ナショナルギャラリーの「ひまわり」を、ゴッホが自分自身でコピーして描いた「ひまわり」。前作のレプリカと言えるが、コピー元の作品に比べて、花瓶やテーブルなど、全体的に絵の具が厚塗りで、さらに力強さが増しているようだ。私は、何度もSOMPO美術館で実物を見ているが本当に素晴らしい。

6.【アメリカ】フィラデルフィア美術館の「ひまわり」

ゴーギャンとの共同生活を終えたあとに描かれた「ひまわり」。

前述の3.【ドイツ】ノイエ・ピナコテークの「ひまわり」を、ゴッホが自分自身でコピーして描いた「ひまわり」。ゴーギャンとの共同生活後のゴッホの奇行(自分の耳を切って娼婦に渡した「耳切り事件 」)の後に描かれたので、コピー元の作品に比べると、やや魅力に欠ける作品だと思う。

私個人の画家視点で言うと(この作品は、実物を見ていないので正確にはわからないが)、画像上だと、水色の背景と、黄色の向日葵の明度差が殆どないので、向日葵がボヤけて見える。また全体的な色味も陰鬱でくすんで見える。なにより、生命感、華やかさに欠ける。ゴッホの精神的不安定が増して、それが絵に表れているように思う。

7.【オランダ】ファン・ゴッホ美術館の「ひまわり」

こちらもゴーギャンとの共同生活を終えたあとに描かれた。

前述の4.【イギリス】ナショナルギャラリーの「ひまわり」を、ゴッホが自分自身でコピーして描いた「ひまわり」。ゴーギャンとの共同生活後のゴッホの奇行(自分の耳を切って娼婦に渡した「耳切り事件 」)の後に描かれたので、前述の6.【アメリカ】フィラデルフィア美術館の「ひまわり」と同様、ゴッホの精神的不安定が増して、それが絵に表れているように思う。

私個人の画家視点で言うと、絵の具の塗り重ねが少ない。形の捉え方にしつこさがない。つまり、制作時の、手数が少なくて、コピー元の作品に比べると、物足りない印象を持ってしまう。私は、アムステルダムのファン・ゴッホ美術館で、期待してこの作品の実物を見たが、期待していた分、印象が薄い作品に感じた。

SOMPO美術館の「ひまわり」

私は、新宿のSOMPO美術館(前 損保ジャパン東郷青児美術館)に足を運ぶたびに
今まで何十回も「ひまわり」を鑑賞していますが
いつ行っても、力強い筆致による油絵の具の厚塗りに圧倒されて、画家の情念さえも感じられます。

そして、非常に重厚な存在感と作品全体から素晴らしい輝きを放っていて、
作品を前にすると、毎回新たな感動を覚えます。

「ひまわり」も、ぜひ実物を観てほしい作品です。
SOMPO美術館は、新宿駅から徒歩圏内なので、東京近郊であれば気軽に行ける美術館です。

バブル当時、58億円という買い物は、無駄遣いとの批判もありましたが、
現在まで、多くの人たちに鑑賞され、感動を与えたことを考えると、
今となっては、決して高い買い物ではなかったように思います。

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