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油絵「黒」の作り方!「黒を使わない」指導の理由と深みを生む混色法

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こんにちは、画家の佐藤功です。

美術の授業や油絵の教本などで

と教わったことはありませんか?

真面目な方ほど、暗い部分を描くときに
「チューブの黒を使わずに、どう暗くすればいいんだろう」
と戸惑ってしまうかもしれません。

黒が避けられる指導が一部に見られるようですが、
結論から言うと、
「黒を使ってはいけない」なんてことはありません。
チューブの黒も使ってよいのです。

重要なのは、黒を絶対的な悪とするのではなく、
「どういう絵を描きたいか、黒という色をどう扱いたいか」
という目的意識を持つこと
です。

それによって自分自身で
「黒を使う」あるいは「黒を使わない」
という選択をすればよい
のです。

この記事では、なぜ油絵で黒が避けられる指導が一部に見られるのか、その理由に触れつつ、
私がプロの制作現場で実践している「深みを生み出す黒の混色法」を具体的に解説します。

黒田清輝「朝日」

美術業界にいると、たまに聞くことですが、
絵画を習う現場などで「黒を使うな」と指導されることがあります。
これには、物理的な理由があります。

それは、チューブから出したままの黒(アイボリーブラックなど)は、色の中で明度が一番低く、
何も考えずにそのまま「べた塗り」してしまうと、そこだけポッカリと穴が開いたような違和感が出やすく、画面から浮いてしまうことが多いからです。

これを防ぐために、初心者には「黒を使わずに混色で暗さを作りなさい」と指導される傾向があります。

実は、日本でこの指導がルールのように定着した背景には、歴史的な理由も絡んでいます。
19世紀末、フランスから印象派の明るい色彩表現(外光派)を持ち帰った黒田清輝らが、彼らの「影は黒ではなく紫や青で描く」という手法を、東京美術学校(現在の東京藝術大学)での指導に持ち込んだことから、そのまま美術教育の慣習になってしまったのです。
(ちなみに、のちに世界的画家となる藤田嗣治は、東京美術学校時代に黒を使った絵を黒田に酷評されましたが、パリではその「黒」を武器に大成功しました)。

要するに、「黒を使わない」というのは、ひとつの流派の考え方に過ぎません。
イラスト的・グラフィック的な表現や、意図的に強いコントラストを狙うのであれば、チューブの黒のベタ塗りも立派な表現手法の一つです。

🟥

サトウ
佐藤

まだ日本に西洋画の情報が少ない中、黒田清輝らが留学した頃、欧州では印象派が高く評価されていました。黒田は留学先のフランスで、外光派(アカデミズム+印象派)のラファエル・コランに師事したことからも、印象派の色彩表現が西洋画のスタンダードだと確信したのだと思います。
そのことを考えると、日本で「黒を使うな」と指導したのは無理もないことかと思います。

現在、私は専門学校で油絵を指導する立場にありますが、「黒を使うな」のように強要的な指導はほとんど見られません。
基本を教えながら、学生の個性を尊重する感じです。情報が溢れる今は、学生が主体となり多様な表現が可能になったからだと思います。時代の変遷でしょうね。

ラファエル・コラン「眠り」

とはいえ、写実的な空間や自然な影、色彩を描きたい場合、
チューブの黒単色ではなく、複数の色を混ぜて「生きた黒」を作れるようになると、表現の幅が劇的に広がります。
混色で黒を作る場合、混ぜる色の比率で「暖色・寒色」や「明度」をコントロールできるのが魅力です。

代表的な作り方を4つ紹介します。

使いやすく、絵画らしい「黒っぽい色」が作れる組み合わせです。
プルシャンブルーは着色力が強いので、少なめに混ぜると良いでしょう。

青(プルシャンブルー)を効かせれば、冷たく引き締まった黒に、
茶(バンダイキブラウン ※バンダイクブラウンとも)を効かせれば、温かみのある黒になります。
描きたい箇所によって、寒色・暖色を調整することを覚えておくと便利です。

緑と赤を混ぜた、透明感のある美しい黒になります。
隠蔽力(下地を隠す力)が弱い透明色同士の混色なので、
下地を生かしたグレージング(薄塗り)で奥深い影を表現したり、
画面全体を穏やかに引き締めたりする
ことができます。

赤と緑、青とオレンジ、黄色と紫など、色相環の反対に位置する色(補色)を混ぜる方法です。
お互いの鮮やかさを打ち消し合うため、非常に自然で落ち着いた暗さを生み出すことができます。

例として、下図の色相環で「黄色」の反対位置の「青紫」が補色となる

補色同士の組み合わせでも、ほとんどが理論通り「黒」にはならず、味わい深いダークグレーといった感じです(明度が高い色や、着色力が高い色に引っ張られます)。その特性を生かして使うと良いでしょう。

カドミウムレッド+カドミウムイエロー+コバルトブルーなど、赤・黄・青の三原色を混ぜ合わせる方法です。
真っ黒にはなりませんが「穏やかで、味わい深い黒(ダークグレー)」を作ることができます。

制作しながら、絵に使っているパレット上の混色した色(赤系・黄系・青系)を少しずつ混ぜ合わせることで、絵になじむ穏やかな黒が簡単にできます。

ここで少しお知らせです。

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私は、写実的な表現をしているため、暗部を描く際はチューブの黒も普通に使います。
ただし、チューブの黒を、そのまま使用することは殆どありません。
目的に応じて、他の色を混ぜて使います。

黒(暗さ)は、単に色を暗くするためではなく、「空間の奥行き」「光」「雰囲気」を構築するための重要な要素だからです。

次に、実際に私が多用している代表的な黒の作り方を紹介します。

チューブの黒(アイボリーブラック)に、緑(テールベルト)と透明な茶色(バーントシェンナトランス)を混色します。
こうすることで、しっかり黒さを維持しながら、絵に馴染む非常に深く豊かな黒になります。特に人物の髪の毛、静物画の暗い背景など、自然な黒さが出せるので重宝しています。

下図は、私の作品ですが、髪の毛の暗部は、この色を使っています。

バンダイキブラウンは明度がかなり低い(黒っぽい)ので、少量のアイボリーブラックを混ぜて、暖色系の黒として使います。
さらに、描く対象の状況に応じて、テールベルト(緑系)やウルトラマリン(青)を少量混ぜて、暖色→寒色へ切り替えて、温度感を繊細にコントロールしています。

下図は、上図の色(バンダイキブラウン+アイボリーブラック)にウルトラマリンを混ぜて寒色系の黒にしたところです。

ポイントで、青みを帯びたチューブの黒である「ブルーブラック」も使うことがあります。

冷たい影を強めに表現したい時や、暖色系の黒を塗った上に、重ねるようにして、黒に深みを出すときにも使います。
また、奥の空間を後退させたい時、モチーフの重なりを出したい時などにも効果的です(後退色である寒色の効果)。

下図は、私の作品ですが、背景の下部は、(a)の黒を塗って、上部に行くにしたがって「ブルーブラック+白など」でグラデーションにしています。

<あわせて読みたい>
黒の種類について、詳しくは次の記事をご覧ください。

「黒を使ってはいけない」と窮屈に考える必要はありません。

油絵の具は、混ぜ合わせることで、
無限の色と深みを生み出せるのが最大の魅力です。
自分の表現したい作品に合わせて、様々な黒の作り方を試してみてください。
「黒を使う」あるいは「黒を使わない」は自由です。

「黒」に限らず、あなたが思いついた作品イメージから感じる色を出すには
どうしたら良いか考えてみてください。
そして、どんどん色を作ってみるのです。

自分だけの色を見つけるのは、油絵のとても楽しい作業の一つです。

最後にお知らせです。

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