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デッサンとは、何?
こんにちは、画家の佐藤功です。
デッサン(dessin)とは、フランス語ですが、素描、絵画、図案、といった意味があります。一般的には美術の用語で、絵を描くための形態をとらえる練習といった意味で用いられていると思います。
この「デッサンとは絵の練習である」といった漠然とした印象から、もっと具体的にデッサンとは、どのようなことかを説明していきます。鉛筆などでリアルに描いた白黒の絵といった単純ものではないのです。デッサン未経験者から経験者まで、デッサンとは何なのだろう?と、ふと疑問に思ったことがある方は読んでみてください。
私が画家として今までのデッサン経験と、デッサンを通して様々に思考したことを元に、より実践に役立つようにと書いています。ただし、この記事ではデッサンの具体的な描き方や技法は書いていません。デッサンの意義や留意点を知りたい方、デッサン経験はあるが行き詰っている方には、何か手助けになると思っています。
デッサンとは、ごく簡単に言うと
1)「モノ」を観察する訓練
2)観察して「モノ」の構造や特徴を理解する訓練
3)理解した「モノ」を描く訓練
※「モノ」とは描く対象物(モチーフとも言う)のこと
です。
順番に説明していきます。
1)「モノ」を観察する訓練
まず、デッサンでは、「モノ」(描く対象物。以後「対象物」「モチーフ」とも表記)を観察することが非常に重要です。この観察の訓練が、ほぼすべてといっても良いかと思います(観察がおろそかだと、しっかりと描くことができません)。観察とは「モノの形態、特徴、構造、を深く、かつ、客観的に観る」ことです。「漠然とモノを見る」ことではありません。
多くの人は、モノを見るときに、ほとんど思い込みが入っています。
例えば、林檎は赤い。お皿は丸い。テーブルは真っ直ぐで平ら。といった思い込みなど。
デッサン初心者は、このような思い込みで絵を描いていることが多いのです。
しかし、よく観察すると
・林檎は、全体が赤いとは限りません。部分部分を細かく観てみると、光が当たっているところと影で色は違いますし、部分的には、黄色やオレンジ、紫色に近い色だったりします。形も、ひとつひとつは、意外といびつで、ほとんど左右非対称です。
・お皿は、丸いという先入観がありますが、正円ではなく微妙に歪んでいたり、周りに傷が付いたり、欠けていることもあります。
・テーブルは、真っ直ぐで平らだと思いがちですが、テーブルの縁が歪んでいたり、傷があったり真っ直ぐではないこともあります。また、テーブルの上は凹んでいたり、まっ平ではないこともあります。
美術学校など、デッサンを学習する現場では、だいたいの講師からは、描くことよりも、観察することに時間をかけるように指導されます。観察する時間:9、描く時間:1、と時間配分せよ、という指導がされることもあります。
極端に聞こえますが、これは、描く対象物に対しての思い込みを取り払って、初めて見るもののように慎重に注意深く観察する必要があるからです。そのためには観察する時間は、必然的に長くなる、ということです。
このように時間をかけて慎重に観察すれば、描く対象物の気づかなかった形態や特徴に気付くきっかけになります。
2)観察して「モノ」の構造や特徴を理解する訓練
そして、観察した対象物を、さらに分析的に深く観察し、踏み込んで理解することが必要です。例えば、林檎の場合、どのような形か、どのような色かはもちろん、どのくらいの大きさか、どのくらいの重さか、どのくらいの硬さか、新鮮さはどうか、質感はツルツルかザラザラか、それらの特徴はモチーフのどこに表れているのか、などあらゆる角度から観察・分析して、自分自身が感じ、理解するのです。
お皿の場合も、形だけでなく、どのくらいの硬さか、重さか、材質や質感はどうか、新しいものか古いものか、など。テーブルの場合も、テーブルの脚は全部で何本か、どのように組み立てているのか、頑丈そうかどうか、など見えない部分まで観察して、構造まで理解します。
そのためには、モチーフを上下左右のあらゆる角度から観察したり、触ってみたり、匂いを嗅いでみたり、場合によっては書籍などでモチーフの知識を得たり、します。そのようにして、モチーフの特徴や構造を理解していきます。
3)理解した「モノ」を描く訓練
しっかりモチーフを観察して、特徴や構造を理解できたら、やっと描く準備ができたといえます。デッサンの第一関門は、通過していると言ってよいでしょう。次の関門は、観察したモチーフを、描くこと(デッサンすること)です。
とはいえ、モチーフを完全に理解することは難しいと思います。ですので、じっくり観察したら、少し描いてみる。一気に描くのではなく、慎重に少しずつ描いていきます。時間配分は、前述した通り、観察する時間:9、描く時間:1、という意識です(厳密に守る必要はないですが、観察する時間をしっかり取る意識は必要です)。そして、実際のモチーフとデッサンをこまめに見比べてみる。違う箇所は、その都度、観察→手直しする。これを繰り返します。
デッサンで描く工程は、かなり難しいですが、時間をかけることでしか進歩は見込めません。何か特殊な技術や知識で急激に上達することは無いです。どうやったら観察して理解したモチーフの特徴や構造を、描いて表すことができるのか、修正を繰り返す中で試行錯誤するのです。
描いてみて、実物のモチーフとデッサンを見比べます。形か何かがおかしい場合は、再度モチーフを観察して、どこがおかしいのかを見極めて、デッサンを修正します。デッサンは、基本的に、何度も何度も描き、おかしいところに気づいたら、描き直し、消し、を直るまで何度も繰り返します。
具体的に説明すると、テーブルの上の、お皿に乗った林檎をデッサンしている場合、お皿の形がおかしいと気づいたら、お皿の形だけを修正すれば問題解決するとは限りません。お皿の形がおかしい場合は、お皿の上の林檎やテーブルなど全体的に少しずつ形などが狂っている場合が多いです。そこに気づいて、お皿だけなく必要な個所をすべて修正しなければなりません。
デッサンは、間違いと修正を恐れる必要はありません。むしろ描いたり消したりの修正を繰り返して、汚れながら完成したデッサンは、しっかり訓練を実施したという意味で評価されるべきことです。
まとめ
以上1)~3)のモチーフの観察、理解、描く、までは一つ一つクリアするというより、一連の流れで 同時進行で実施していきます。デッサンは、地道に時間をかけるものだ、ということを理解しておけば、焦る必要はありません。
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デッサンは独学できるのか?習うべきか?
デッサンは独学できるのか?習うべきか?の疑問については、私自身が油絵講師をしている経験上は、習った方が上達が早いと思います。早いというより、遠回りをしなくて済むということですかね。それと、行き詰ったときにも講師がいれば手助けできます。
ただし、独学も、できないことはないと思います。現在は、書籍やインターネットの情報や動画などが充実しているので、たくさん見て独学することは可能だと考えています。
どのような学習方法を選択するにしても、デッサンは、上達するために、講師、書籍や動画に依存しすぎてはいけないと考えます。デッサンの概要や留意点、環境などは、講師、書籍や動画から、しっかりと習得する必要はありますが、実際に自分自身でたくさん手を動かして、考えて、デッサンを行ってください。
デッサンは、最初から、うまくいくことは、まずありません。その場合、すぐに講師、書籍や動画に答えを求めるよりも、自分自身で、時間をかけて観察、理解、描く、修正、を何度も繰り返すことです。繰り返す度に、さらに自分自身で間違いに気づく慎重さを持ち、観察方法を試行錯誤し、描き方を試行錯誤するのです。そうした試行錯誤の中から、うまくいくやり方を発見して、自分自身で技術や知識を身につけることができるのです。このような地道な作業の繰り返しにより、ごくわずかずつ上達できるようになります。
.デッサンの訓練は、以上のように、できるだけ自力で問題解決していく工程を経験すれば、少々の壁があっても乗り越えることができるようになります。デッサンの経験は、単に絵を描くためだけではなく、他分野にも応用できると思います。仕事やスポーツ、趣味などでも、自分自身で間違いに気づく意識を持ち、やり方を思考錯誤して、技術、知識を身に着ける。そうして自分の成すべきことを前進させることができるようになると思います。
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