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こんにちは、画家の佐藤功です。
今回は「空気遠近法」について解説します。
私は油絵制作で、様々な遠近法を
複合的に活用しますが、
その中でも、空気遠近法は、
油絵の具や水彩、アクリル画など
面でとらえて描く技法に効果的です。
さらに、空気遠近法は、
絵に取り入れるのが簡単で、即効性があります。
この記事では、
空気遠近法とは何なのか?の説明と
実際の絵に取り入れるときの
簡単な描き方について解説します。
この記事を読んで
空気遠近法を理解して
あなたの作品に
ぜひ活用してみてください。
目次
空気遠近法の基本
皆さんは、遠くの山々を見たときに、
遠くであればあるほど
大気の影響を受けて
青白く霞んだり
色が淡くなったり、
輪郭もぼやけて見えることは、
よく分かりますよね。
空気遠近法は、
この大気の現象を、絵画の中で
再現して遠近感を表す技法です。
では、どのように
3次元の遠近感や奥行きを
2次元の絵画において
再現するかというと、
主に色彩や明暗で調整します。
具体的には、
遠くの対象を、次のように描くと良い、
ということです。
遠くになるほど
・明暗のコントラストを弱くする
・彩度を低くする
・青っぽくする(大気の色に近くする)
・輪郭をぼかす
このようにして
遠近感を表します。
風景画で活用されることが多い技法ですが、
人物画や静物画にも
自然な奥行き感を与えることができ、
応用範囲が広いのです。
ちなみに
一般的に、遠近法といえば
透視図法(線遠近法)を
思い浮べる方が多いと思います。
空気遠近法は、主に面で捉えて描く
油絵やアクリル画などで効果的ですが、
線遠近法は、主に線で捉えて描く
ペン画やマンガ、建築パース図などで、効果が出やすい技法です。
空気遠近法は、
レオナルド・ダ・ヴィンチの
名作「モナ・リザ」で、
巧みに用いられています。
次に詳しく解説します。
「モナ・リザ」から学ぶ、空気遠近法
レオナルド・ダ・ヴィンチの
「モナ・リザ」は、
空気遠近法が巧みな名作です。
この技法により、
モナ・リザの背景は
遠くの景色が霞み、
柔らかな奥行き感が生まれています。
細かく見てみましょう。
遠くの山々・空・川は、
明暗のコントラストを弱く、淡い色彩にして
山の一部を青っぽくしています。
これに対して、手前の人物は
明暗のコントラストを強くして、
色味を感じさせています。
さらに、遠くの山々は、
輪郭をぼかしています。
これらの描画を調整することにより、
奥行きが感じられ
遠くに霞んで見えるのです。
※手前の人物も、顔の輪郭などを
ぼかしていますが、
これは、自然な立体感を表すための
スフマートという技法です。
(技法の目的が違う)
このようにして、
人物から背景を自然に遠ざけ、
モナ・リザの存在感をより際立たせています。
鑑賞者は目の前にいるような
リアルさを感じながらも、
画面全体に広がる奥行きを
感じることができます。
空気遠近法の絶妙な活用が、
この作品の神秘的な雰囲気と
深みを引き立てていると思います。
では、この名画「モナ・リザ」の
空気遠近法を踏まえた上で
具体的に描いてみましょう。
といっても最小限の手順で
簡単に描きますので、
安心してください。
ここで、お知らせです。
油絵に興味を持ったあなたへ
私の画家としての経験から書いた、
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2ステップで、絵に空気遠近法を活用する
絵画に空気遠近法を取り入れる
とても簡単な手順を紹介します。
これにより、2次元の絵画に
自然な遠近感と奥行きが表現できます。
次の山々を2ステップで、
ごく簡単に描いてみます。
油絵の具で描きますが、
どの画材でも、考え方は同じです。
それでは、以下の画像をみてください。
近景(手前の山)、中景(中間の山)、遠景(奥の山)、
の色彩や明暗の調子を
モナ・リザの例でも説明したとおり
次のように描いていきます。
つまり、遠くを、淡く、青くしていきます
遠くになるほど
・明暗のコントラストを弱くする
・彩度を低くする
・青っぽくする(大気の色に近くする)
どのように描くか
やり方は色々ありますが、
簡単なのは、遠くの山になるほど
山の固有色に、グレー(白+黒)、青を混ぜるとよいです。
それでは具体的な手順を
説明していきます。
1.遠くの色彩を「淡く」「青く」する
1-1.空の色を塗る
最初に空の色を
塗っておきます。
青が強めのグレーにしてみましょう。
1-2.近景の山の色を塗る
パレットに
近景の山の、固有色の緑色を作ります。
暗い部分と
明るい部分の
2色を混色します。
近景の山に塗っていきます。
1-3.中景の山の色を塗る
近景の山で混色した緑色に
グレー(白+黒)と青を混ぜて
中景の山の緑色を混色します。
(暗い部分と、明るい部分の2色)
中景の山に塗っていきます。
近景に比べて、中景の山の色は
・明暗のコントラストが弱く
・彩度が低く
・青っぽく
なったことがわかりますね。
これで近景より、中景の山が
奥にある感じが出ます。
1-4.遠景の山の色を塗る
中景の山で混色した緑色に
グレー(白+黒)と青を混ぜて
遠景の山の緑色を混色します。
(暗い部分と、明るい部分の2色)
遠景の山に塗っていきます。
中景に比べて、遠景の山の色は
・明暗のコントラストが弱く
・彩度が低く
・青っぽく
なったことがわかりますね。
これで中景より、遠景の山が
奥にある感じが出ます。
2.遠くの輪郭を霞ませる(ぼかす)
次に、遠くになるほど
山の輪郭をぼかします。
つまり、徐々に遠くが
霞んで見えるようにします。
近景の山の輪郭は、一番シャープ
中景の山の輪郭を、ぼかして
遠景の山の輪郭を、さらにぼかします。
順番としては、
近景→中景→遠景の順に
山の輪郭をぼかして
遠くが霞んで見えればよいです。
遠景の山の輪郭は、
空の下の方に
空の色(白っぽい水色)を塗って
遠景の山との輪郭をぼかすとやりやすいです。
これで完成です。
ごくシンプルに描いて
覚えやすいようにしています。
これを基本として、応用・発展してみてください。
次のまとめで詳しく解説します。
※この制作例では、
遠くになるにしたがって
山の色を青っぽくしましたが、
遠景の色は、大気の影響を受けるので
夕焼けの場合は、
遠くになるにしたがって
山の色は赤(オレンジ)っぽくなります。
空気遠近法は、
大気の色に留意してみてください。
まとめ|複合的に遠近法を活用する
空気遠近法は、
以上、これらの手順を意識して描くことで、
簡単に、絵に奥行きが生まれ、
空間表現が実現します。
さらに、この手順を発展・応用してみてください。
たとえば、
・遠近で、色彩に変化を加えてみる
・遠近で、明暗や色彩の段階を細かく増やしてみる
・輪郭のぼかし方を工夫してみる(例:様々な筆、道具活用)。
などなど。
空気遠近法をマスターすると
どんなモチーフも豊かな空間的な広がりと
深みを持つ作品に仕上げることができるでしょう。
そして、透視図法(線遠近法)など
様々な遠近法と空気遠近法を
複合的に活用できるようになると
あなたの絵のステージが
きっとレベルアップします。
最後にお知らせです。
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