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こんにちは、画家の佐藤功です。
油絵制作序盤の重要な工程が「下描き(したがき)」です。
(下描きは、下絵とも言います)
あなたは、下描きについて
「下描きの画材は何を選べばよいの?」
「下描きを描いているときに、鉛筆が消せない」
「絵の具を塗ったら、木炭がにじむ」
といった問題に悩んではないでしょうか?
下描きには、様々なやり方や考え方がありますが、
一般的には、キャンバスなどの支持体に、
油絵の具を塗る前に、鉛筆や木炭で描きます。
この記事では、下描きをする上で、
鉛筆、木炭、どちらを選ぶかの基準、扱い方、などを徹底解説します。
この記事を読めば、スムーズに下描きができて
自信を持って油絵制作を進められるようになります。
目次
<あわせて読みたい>
油絵を始めてみたい方は、次の記事をご覧ください。
1. 油絵における【下描き】の役割
まず、油絵制作における下描きの役割を理解しましょう。
下描きは、全体の構図、各モチーフの位置や形態、立体感、
全体の明暗バランス(大まかなトーン)など、
作品の根幹となる要素を決定しておかなければなりません。
この工程がしっかりできていれば、
その後の絵の具での描写、色彩表現や細部の描写に集中できるため、
結果的に完成度が上がります。
下描きの画材の選択肢|鉛筆?木炭?
油絵の下描きは、主に鉛筆か木炭で行います。
この2つの画材の違いとメリット・デメリット、
目的によってどちらを選ぶと良いか、選び方を解説します。
鉛筆と木炭の違い
鉛筆:
誰もが知っている画材と思いますが、詳しく説明すると
芯は、黒鉛と粘度を焼き固めたもので、それを木の軸に挟み込んだものが鉛筆です。
芯は、細く削ることができ、精密な線画が描きやすいです。
芯の濃さは、9H~1H~F~B~9B程度、およそ19段階ほどあります。

木炭:
油絵の下描きやデッサンに一般的に用いられる画材です。
柳などの木を炭化させたもので、粒子が荒く、柔らかい線が描けます。
また、面でトーンをつけやすく、ぼかしやすいです。
樹種は、柳以外にも、桑、ミズキなど多数あり、様々な太さ・硬さがあります。
※一部の木炭には、芯抜きが必要な場合があります。以下の「伊研 No.360」は、芯抜きが必要です。

鉛筆と木炭|メリット・デメリット
鉛筆のメリット:
細く細かい線が描け、コントロールしやすいので形を正確に描ける
細密な下絵を描きやすい

鉛筆のデメリット:
キャンバス等に描くと、紙のようには消しにくい
広い面や、大きい明暗を描きにくい

木炭のメリット:
面が描きやすく、構図、明暗が短時間で描ける
簡単に消せるので、修正やぼかしがやりやすい


木炭のデメリット:
木炭の粉がキャンバス等に定着しにくい
精密な描写には向かない
木炭の粉が絵の具に溶けやすい

鉛筆と木炭、どちらを選べばよい?
鉛筆が良い場合

鉛筆が良い場合は、一番は、細密でリアルな描写をしたい場合です。
形を正確に取りやすいし、輪郭線をしっかり決めれるので、
絵の具で描くときに非常にやりやすいです。
また、小さめの作品にも良いでしょう。
(木炭だと、線が太くなりがちなので、小さい描写は、少しやりにくいです)
それと、初心者で、絵の具の描写のコントロールに自信がない場合、
下描き段階で細々と描くとよいですね。
木炭が良い場合

木炭が良い場合は、大きな構図や明暗を素早くザッと決めたいときです。
すぐに全体の印象を掴みやすいし、大きなイメージを持っている場合に有効です。
また、大きめの作品にも良いでしょう。木炭は、大きな構図、広い面の明暗を簡単に描けます。
(鉛筆だと、広い面の明暗を描くのは、かなり時間がかかります)
それと、木炭は消しやすいので、下絵を描きながら、消しては描いて、あれこれと試行錯誤したい場合にも向いています。
以下の「伊研 No.360」は、芯抜きが必要です。
芯抜き
ここで、お知らせです。
私自身は、細密に描く画家なので、鉛筆で下描きします。
また、細密に描きやすいように、木製パネルをベースとした平滑な支持体に描きます。
(キャンバスは、生地の織り目があるので現在は使っていません)
細密に油絵を描いてみたい方は、
木製パネルをベースとした平滑な支持体を試してみてください。
この支持体の作り方は、
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鉛筆と木炭、デメリットの対策
鉛筆で描いて、消しゴムで消えないときは?
キャンバスに鉛筆で描くと、プラスチック消しゴムや、練り消しゴムで消えにくいことがよくあります。
この問題を解消するには、次の1.2.のように描いてみてください。
1.描き始めは、2B~4Bあたりの柔らかい鉛筆で、ごく薄く描く
消し方のコツは、練り消しゴムで、叩くようにして消すと良い。
プラスチック消しゴムは使わない方が良い。ゴシゴシ擦ると、描いた黒鉛が
広がったり、生地の織り目に入り込んだりするため。

2.形が決まってきたら、濃いめに描く(濃すぎないこと!)
これだけです。

木炭で描いて、油絵の具がにじむときは?
木炭で下描きをすると、その後、油絵の具を乗せたときに、
木炭がにじむという問題が出てきます。
これは、木炭の定着が極端に弱く、
油絵の具や溶き油で、木炭の粉がすぐに流れてしまうからです。
対策として、
・あまり濃く描かないこと
・濃く描いたら、ガーゼなどで軽く叩いて木炭の粉を少し落とすこと
・フィキサチーフ(定着液)をかけること
です。
フィキサチーフとは、鉛筆・木炭・パステルなどの粉状描画材を画面に定着させるためのスプレー状の液体です。
吹き付けることで、描いた線や明暗がこすれて消えたり、絵の具に混ざったりするのを防ぎます。

【フィキサチーフ】かける必要はあるの?
私は、鉛筆・木炭ともに、下描き後、
フィキサチーフ(定着液)はかける必要があると考えます。
それは、次の2つの理由からです。
1.下絵が油絵の具に溶けて滲む(絵の具の色が濁る。下絵がわからなくなる)
2.下絵の固着が弱い
詳しく解説します。
1.下絵が油絵の具に溶けて滲む(絵の具の色が濁る。下絵がわからなくなる)
下絵に油絵の具を乗せると、鉛筆・木炭の粉が溶けて滲んでしまいます。
これにより、絵の具の色が濁ってしまいますし、
せっかく描いた下絵が、初期段階からわかりにくくなります。
絵の具を塗るときのガイド役である下絵のメリットが損なわれます。
鉛筆も木炭も滲みますが、
特に木炭は、下絵が全くわからない位になることがあります。
以下は、鉛筆と木炭にフィキサチーフをかけた・かけない状態にして、その上にレモンイエローを塗って比較した画像です。フィキサチーフ無しの方が、鉛筆、木炭とも粉が溶けて色が濁っています。

2.下絵の固着が弱い
下絵とはいってもキャンバス等の支持体に
定着させることは重要だと考えます。
なぜかというと、油絵の具の固着を弱くするリスクがあるからです。
理論的には、フィキサチーフをかけなくても、
油絵の具の油分(乾性油)が、鉛筆や木炭の粉に浸透して固着してくれるので、
それほど問題ないように思います。
(実際に、問題ない場合が殆どかもしれません)
しかし、それで十分ではない場合があるのです。
知人の画家さんから、実際に次のような話を聞いたことがあります。
「木炭で下描きして、フィキサチーフをかけずに
そのまま油絵の具で描いたら、
乾燥後、ごっそり絵の具の層が剥がれた」
ちょっと驚くエピソードのように聞こえます。
ですが、これは少し考えれば、ありえることです。
おそらく、木炭の下描きを濃く描いたことにより、
油絵の具の油分が、木炭の粉に十分に浸透しなかったのでしょう。
これにより、「キャンバス」と「絵の具層」の間に
固着が弱い「木炭の層」ができて、
乾燥後に「絵の具層」が剥がれた、というわけです。
もちろん、描き方、油絵の具・溶き油の使い方にもよるので、
フィキサチーフをかけないと
必ずしも剥離するということではありません。
ただ、可能性は少ないかもしれませんが、
剥離のリスクはあるということです。
以上、この2つの理由から、
私は、鉛筆・木炭ともに、下描き後に
フィキサチーフはかける必要があると考えます。
【下描き】様々なやり方・考え方
下描きには、様々なやり方・考え方があります。
下描きなしに、油絵の具で直接キャンバスに描き始める人もいますし、
薄く溶いた油絵の具で下描きする、コンテやパステル、などで下描きする人もいます。
これは制作者の目的や考え方、制作スタイルによって違うので、
自由に選択するのが良いと思います。
私も一時期は、赤系のパステルで下描きをしていました。
注意した方が良い点としては、
下描きに使う画材の特性を調べておくことです。
下描きに使って油絵の具を塗ったときに
問題ないか?どういう効果があるか?など。
例えば、色鉛筆やクレヨンを下描きに使った場合
これらの画材の展色材はワックス(蝋)なので、
あまり下描きを濃く塗りすぎると、
油絵の具を塗った場合、はじいたり、
塗れたとしても、乾燥後に剥離のリスクがあります。
下描きは、作品の完成後には見えなくなりますが、
制作中や制作後に、どのような効果やメリットがあるか
また、どのようなリスクがあるか、
これらを調べたり、考えたりすることは大事なのではないでしょうか。
まとめ
この記事では、油絵制作の根幹となる「下描き」について、
鉛筆と木炭という二大画材の特性や選び方、
そして描画上の問題を解決する対策を解説しました。
下描きは、作品が完成すれば見えなくなる工程ですが、
画材や描き方の選択が、
後の油絵の具による描写に影響し、
結果的に作品の完成度を大きく左右します。
この記事で学んだ知識を活かして、
あなたの制作の目的やスタイルに合わせた下描きをして
快適に油絵制作を進めてください。
私自身は、細密に描く画家なので、鉛筆で下描きします。
また、細密に描きやすいように、木製パネルをベースとした平滑な支持体に描きます。
(キャンバスは、生地の織り目があるので現在は使っていません)
細密に油絵を描いてみたい方は、
木製パネルをベースとした平滑な支持体を試してみてください。
この支持体の作り方は、
私が執筆した油絵の描き方の
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油絵の描き方 基本的な手順と、平滑な支持体の作り方がわかります。
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