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油絵 筆の種類と簡単な選び方、使い方|画家視点でおすすめの筆

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こんにちは、画家の佐藤功です。

油絵を描く筆の種類は、とても沢山ありますよね。どれを使えばよいか迷ったことはないでしょうか?筆によって絵の出来が大きく違ってくるので、筆選びはとても重要です。この記事では、画家の私が独断(笑)でおすすめする筆と、筆の選び方、使い方を解説します。

油絵の筆は、多種多様な穂先の形状、毛の種類(硬い毛 or 柔らかい毛)、大きさ、などがあって。。。私も画学生のころ選ぶのに迷いました。

そこで、ほぼ全種類の筆を使ってみたのです。

その結果わかったことは、

自分が描きたい絵に適した筆を、数種類だけ選ぶ

です。

考え方は、とても簡単です。

具体的にどのように選ぶかというと

自分が描きたい絵に適した筆を

 
穂先の形状
 毛の種類

 筆の大きさ


を基準にして選ぶ

です。

これを踏まえて、簡単な筆の選び方と使い方、私がおすすめする筆を紹介します。その前に、筆について、穂先の形状、毛の種類(硬い毛 or 柔らかい毛)、筆の大きさ、の説明をします。

<目次>
油絵の筆の種類

 1.穂先の形状

  1-1.ラウンド(丸筆、面相筆)
  1-2.フィルバート(丸平筆)

  1-3.フラット(平筆)
  1-4.ファン(扇筆)

 2.毛の種類
  2-1.豚毛

  2-2.セーブル(イタチ、コリンスキー、テン)
  2-3.オックス(牛耳毛)
  2-4.ナイロン(リセーブル、ネオセーブル)
  その他

 3.筆の大きさ

油絵に、水彩筆やデザイン筆は使用できる?
筆専門メーカーの筆が良い
 
筆の選び方と、おすすめの筆
  筆選び例1.私(佐藤功)が使用しているおすすめの筆
  筆選び例2.ゴッホのように描く筆は?
  筆選び例3.シャルダンのように描く筆は?

まとめ

油絵の筆の種類

1.穂先の形状

穂先の形状は、沢山ありますが、ほぼ以下の4種類に集約されます。これ以外は、以下4種類の派生か、使用者は少ない、あるいは、実用性が低い、と判断したので、省略しています。

1-1.ラウンド(丸筆、面相筆)

先が尖っているので、線描や細かい描写ができる。筆圧によって、線に強弱がつけれる(習字の筆のように扱える)。メインに使う筆にするとよい。

1-2.フィルバート(丸平筆)

広い面が塗れる。筆跡が角張らないので広い面を自然なタッチで塗れる。例えば、しわの少ない布、壁や床、空などを描くのに便利。

1-3.フラット(平筆)

広い面が塗れる。筆跡が角張るので、窓やテーブルなど角があるモチーフを、エッジを効かせて描くときに便利。また、波のある海も描くのもあり。

1-4.ファン(扇筆)

主に、グレーズという油彩技法で使用する(乾いた絵の具の上に、溶き油で薄く溶いた絵の具を、塗って着色する技法)。また、絵の具をぼかすときに使う。制作中の使用頻度は、低い。初心者は無くても問題ない。グレーズ技法やぼかしをやる時に揃えれば良い。

<あわせて読みたい>
〇油絵を描いた筆の洗い方|筆に絵の具が固まった場合は?|扱い方で筆は長持ちする
〇油絵に必要な道具|買ってはいけないものは?|油絵の具、溶き油の選び方は?【初心者にわかりやすく説明】

2.毛の種類

穂先に使われる毛の種類は、多数ありますが、まず硬毛軟毛に分けられます。

油絵の具は、物質感が強く粘りがあるため、硬毛である豚毛の筆が一般的に使われています

軟毛は、セーブル(イタチ、コリンスキー、テン)、オックス(牛耳毛)、ナイロン(リセーブル)、馬、ラクーン(狸、アライグマ)、マングース、羊、、、など多数あります。

それぞれに特徴はありますが、種類によって、使用感に大差がない、または、あえて使うほどの理由がない、と判断できる毛の種類もあります(もちろん穂先の形状や、メーカーによっても使用感に違いはありますが)。

このような理由から、私が選択肢として考えれる毛を4種類(豚毛、セーブル、オックス、ナイロン)に絞りました。次に説明します。

2-1.豚毛

前述した通り、油絵の具は粘りがあるため、硬毛である豚毛が一般的には向いているという見方があります。豚毛は硬いので筆跡が残り、厚塗りにも適しています。いわゆる印象派の絵ように、筆に絵の具をたっぷり着けて、ザクザクとキャンバスに置くように描いたり、意図的に筆跡を残すように描くのに向いています。一方、豚毛は、太くて弾力が強く、毛先がバサつくので、細かい描写には向いていません。

油絵は、一般的に、豚毛の筆を使用するのが慣習となっています。油絵の技法書には、用意する筆として豚毛が書かれていたり、市販の油絵の具セットには、たいてい豚毛の筆が入っています。

2-2.セーブル(イタチ、コリンスキー、テン)

セーブルは、非常に使いやすく、繊細な描写に適しています。適度なコシと穂先のまとまりがあります。筆圧による絵の具の強弱がつけやすいです。

コリンスキーは、高級シリーズで使用されている毛ですが、使用感にあまり大差はないと感じます。テンも、毛が少し柔らかめですが、ほぼ同じ使用感です。この辺は使う人の好みでしょう。セーブル系は、性能が良いですが価格が高めです。

2-3.オックス(牛耳毛)

柔らかく適度なコシがあります。絵の具をたっぷり含んで、おおまかに描いたり、柔らかいタッチの描写に向いています。それと、下層、中層で絵の具を広い範囲にどんどん塗るときにも便利です。ある程度の繊細な描写は可能です。

2-4.ナイロン(リセーブル、ネオセーブル)

ナイロンは、かなり弾力があり、穂先のまとまりが均質で、使いやすいです。初心者から経験者まで活用できます。セーブルほどではないですが、繊細な描写にも十分使用できます。ナイロン系は、価格が手ごろなので、初心者はまず揃えておくとよいでしょう。なお、ナイロン毛に特殊加工して(動物毛のセーブルの特徴を加工して施した)絵の具の含みを良くしたものを、リセーブル、ネオセーブルといいます。

その他

他には、馬、ラクーン(狸、アライグマ)、マングース、羊、、、など沢山種類があります。

馬は、牛耳毛に近い印象です。馬の方が少しだけ硬めです。

ラクーン(狸、アライグマ)の使用感は、豚毛を柔らかくした印象です。毛に弾力があって筆跡もやや残ります。細密用の細い丸筆の場合は、セーブルに次ぎ、繊細な描写ができると思います。ただ、穂先が割れやすい気がします。

マングースの使用感は、豚毛に近い硬さです(豚毛を少しだけ柔らかくした印象)。筆跡もわりと残ります。ほぼ、豚毛と同じような使い方になります。

羊はとても柔らかく、筆跡がほぼ残らないです。コシが弱いのでメインで使う筆にはならないと思います(絵の具をゆるく溶いた場合などに使用できそう)。ちなみに私は、羊毛の刷毛を下地塗りに活用しています(筆跡が残らないので)。

また、ナイロン毛と動物毛の混毛や、数種の動物毛の混毛の筆もあります。

以上これらは、あくまで私個人が使ってみた印象です。また、メーカーや品番、穂先の形状によっても、使用感に違いがあるので、気になった毛の種類は実際に試してみてください。

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3.筆の大きさ

筆の大きさは、「号」で表します。メーカーにもよりますが、0号~20号ほどあり、数値が大きくなるほど、筆が大きくなります。また、小、中、大、と表記する筆もあります。

自宅で描く場合、キャンバスは10号以下くらいですので、筆は0号~12号あたりが目安です。美術学校や公募展のために描く場合、キャンバスは15号以上、100号あたりも描くこともあるので、筆は、4号~20号あたり、20号以上も、幅広く使うとよいでしょう。

油絵に、水彩筆やデザイン筆は使用できる?

結論からいうと、使用できます。油絵は、油絵専用の筆で描くべき、という決まりはないです。

私も昔から、水彩筆やデザイン筆を油絵制作に使用しています。水彩筆やデザイン筆でも、油絵の具の粘りに十分耐えて使用できる筆はあります。しかし、油絵の粘りに耐えられないような柔らかい筆も多いので、用途を考えて使いましょう。例えば、油絵の具を、溶き油で薄く溶いた場合は、柔らかい水彩筆でも活用できると思います。

筆専門メーカーの筆が良い

これは、私の考えですが、筆は、筆専門メーカーの筆が良いと思っています。画材メーカーも筆を販売していますが、筆専門メーカーの筆に比べると、品質がいまひとつ、という印象です。穂先が割れやすい、抜け毛が多い、腰が弱い、など、、、もちろん全てではないですが。

穂先の形状、毛の種類が同じ筆でも、メーカーによって、使用感や品質の違いは結構あります。

私が良いと思って使用している筆メーカーは、ラファエル、名村大成堂、です。ただ、価格は高めです。あと、ナイロン筆は、アルテージュ、インターロンを使用しています。画材メーカーの筆は、わりと手ごろな価格が多いので、品質との兼ね合いですが、自分が納得すれば、どれを使ってもよいと思います。選択する際の参考にしてください。

筆の選び方と、おすすめの筆

以上の説明を踏まえて、筆選びで意識することは、冒頭でも説明した通り、

自分が描きたい絵に適した筆を

 穂先の形状
 毛の種類

 筆の大きさ


を基準にして選ぶ


それらを、まずは、数種類だけ選ぶ
実際に描いてみて、必要なら追加で選ぶ

です。

あなたが描きたい絵のタイプに合った筆を、自分自身で選んでみましょう。

例えば、あなたが、小さめ(3号~6号)のキャンバスに、淡く繊細な絵を描きたい。という場合は、描きたい絵に適した筆(穂先の形状、毛の種類、筆の大きさ)は「ラウンド、セーブル、2号~8号」「フィルバート、オックス、4~10号」と考えることができます。

または、価格を抑えたいので、毛の種類をナイロンに変えて「ラウンド、ナイロン、2号~8号」「フィルバート、ナイロン、4~10号」と考えることもできます。あとは、どのメーカーの筆を選ぶかということです。

もう一つ例えば、あなたが、中くらい(8号~10号)のキャンバスに、印象派のように絵の具を大胆に乗せて、形をキッチリ描くより、色で楽しみたい。という場合は、描きたい絵に適した筆は「ラウンド、豚毛、6号~12号」「フィルバート、豚毛、6号~12号」「フラット、豚毛、6号~12号」と考えることができます。

さらに具体的な筆の選び方の例として、絵を見ながら、私(佐藤功)の場合、ゴッホ、セザンヌのような絵を描く場合、を紹介します。

筆選び例1.私(佐藤功)が使用しているおすすめの筆

それでは、私(佐藤功)が実際に使用している、おすすめの筆を、どのようにして選んだかも説明しながら紹介します。

まず、私が描いた作品画像を見てください。

佐藤功 「風」 F4 油彩

見ての通り、私の絵は、細密に描いていて厚塗りはあまりしません(部分的にやや厚塗りあり)。このような特徴の絵を描くために、選んで使用している筆は以下の4種類です。これらをサイズ違いで2~3本用意すればよいです。ちなみに名村大成堂のセーブルヘヤーはデザイン筆です。

(1)繊細に描ける丸筆のセーブル
メーカー:名村大成堂
商品名:セーブルヘヤ―(小、中、大)

(2)羽毛の1本1本を、非常に精細に描ける丸筆の赤テン
メーカー:ラファエル
商品名:862(2~6号あたり)

(3)筆跡を残さず、テーブル面(奥~中心)など広い面が塗れるフィルバートのナイロン
メーカー:アルテージュ
商品名:キャムロンプロ 715(6~10号あたり)

(4)テーブル面(手前)など部分的に厚塗り、筆跡を残せるフィルバートの豚毛
メーカー:名村大成堂
商品名:HF平(6~10号あたり)

私と同じく細密な絵を描きたい人は、上記おすすめの筆をそのまま使用しても良いと思います。

<私の他の作品はこちらから>
制作した作品(人物画)
制作した作品(静物画、風景画など)

筆選び例2.ゴッホのように描く筆は?

まず、ゴッホが描いた作品画像を見てください。

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ 「ひまわり」 油彩

見ての通り、かなりの厚塗りで大胆に筆跡を残しています。ひまわりの中心部分(管状花)は、若干細かく描いていますが。このような特徴の絵を描くために、選択肢としてありうる筆は以下の3種類です。やはり、すべて硬毛の豚毛の筆になりますね。これらをサイズ違いで2~3本用意すればよいです。ゴッホに限らず、モネやルノアールなど印象派のように描きたい場合は、同じ選択でよいと思います。

(1)厚く塗り重ねて、筆跡を残せる。やや細かくも描けるラウンドの豚毛
メーカー:名村大成堂
商品名:HR丸(4~8号あたり)

(2)厚く塗り重ねて、筆跡を残せるフィルバートの豚毛
メーカー:名村大成堂
商品名:HF平(6~8号あたり)

(3)厚く塗り重ねて、大胆に筆跡を残せるフラットの豚毛
メーカー:名村大成堂
商品名:SV平(8号~12号あたり)

筆選び例3.シャルダンのように描く筆は?

次は、シャルダンが描いた作品画像を見てください。

ジャン・シメオン・シャルダン 「ぶどうとざくろ」 油彩

全体的に見て、絵の具を盛り上げている部分はありますが、ゴッホのように激しいタッチで厚塗りではないですね。特にざくろ、ぶどうなど果物あたりの明部に、穏やかに絵の具を盛り上げて物質感を強めています。筆跡も穏やかで、すごく細密に描いているわけではないですが、ポイントを抑えていて、モチーフの存在感や空間をしっかり捉える描写をしています。

このような特徴の絵を描くために、選択肢としてありうる筆は以下の4種類です。硬毛の豚毛を中心として、軟毛もしっかり併用すると良いと思います。これらをサイズ違いで2~3本用意すればよいです。大まかなタッチ、やや厚塗りのいわゆる油絵らしい絵、でもしっかり形態は描きたい場合は、このような選択をベースにするとよいと思います。

(1)厚塗り、筆跡を残せるが、やや細かくも描けるラウンドの豚毛
メーカー:名村大成堂
商品名:HR丸(4~8号あたり)

(2)厚塗りで、穏やかに筆跡を残せるフィルバートの豚毛
メーカー:名村大成堂
商品名:HF平(6~10号あたり)

(3)穏やかにやや繊細に描ける丸筆のオックス
メーカー:名村大成堂
商品名:OXF(2~6号あたり)

(4)穏やかに描けるフィルバートのオックス
メーカー:名村大成堂
商品名:OXF(4~8号あたり)

(※)ゴッホ、シャルダンのように描く筆は、実際に画家がその筆を使っていたということではありません。私が絵を見て、このような筆を使用したらよいだろう、と考えて書いたものです。

まとめ

以上、私が実際に使用した印象をベースにして、メーカーの説明等も勘案して、筆選びについて説明しました。

筆選びは、慣れるまで迷うこともありますが、この記事が筆選びの参考になれば幸いです。

ただ、どうしても迷ってしまうときは、とりあえずは「迷った筆は、全部使ってみる」が早道です。早く自分に合った筆が見つかると、早い上達に繋がります。

それと、筆は消耗品だということを意識してください。筆の状態を見て、穂先が毛羽立ってきた、穂先が割れて思った通りに絵の具が塗れない、となれば 即交換してください。私は、早ければ2~3作品描いた筆は交換しています。くたびれた筆をずっと使い続けるのは、気持ちよく絵を描く、思ったように絵の具を塗る、上達する、など、本来の目的を妨げることになります。(モノを大事にする気持ちからだとは思いますが、、)

作品の出来を左右するのは、本人の力量より、意外と道具に起因していることがあります。私の経験上、道具の中でも、特に筆のコンディションは、作品の出来に直結します。

学校や技法書で勉強しても、高価な絵の具を使用しても、気持ちを込めても、筆の状態が良くなければ、結果に結びつきにくいです。あなたの素晴らしい作品の魅力を100%発揮できません。

私は、自分の絵画に対する制作姿勢や気持ちは、道具や環境に表れると思っています。毛羽立った筆をいつまでも使用している、筆洗油が濁ったまま使い続けている。制作環境にゴミやほこりが溜まっている、などがあれば、自分の制作姿勢や気持ちが淀んでいるのではないか、と戒めて、普段から気を付けています。

自分に合った筆を選択する、常に良い状態で使用する。を意識していれば、気持ちよく制作でき、上達にも繋がります。今回は、筆を取り上げましたが、道具全般にも同じことが言えるのではないでしょうか。

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