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落穂拾い(ミレー)意味と解説|キリスト教の教え|聖書の物語「ルツ記」で語られる

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ミレー「落穂拾い」意味と解説

こんにちは、画家の佐藤功です。

フランスの画家、ジャン・フランソワ・ミレー(1814~1875年)の「落穂拾い」について書きたいと思います。

この「落穂拾い」は美術の教科書にも載っているくらい有名な絵ですね。農業国としての歴史がある日本でとても人気があります。

この「落穂拾い」というワード、なんとなく聞いたことはあるけど、詳しくはどういうことでしょうか?私も中学時代に美術の教科書で見たとき、農業の絵?くらいで意味を深く考えていなかったです。


まず、「落穂拾い」は、単に農村の収穫の一場面を描いた絵ではありません。


“落穂”の”穂”とは、穀物の実の部分を言います。「落穂拾い」とは、穀物の収穫の後、落ちて散らばっている”穂”を拾う、ということです。



ただ、ミレーの「落穂拾い」は、キリスト教と関連した深い意味があります。

それを踏まえて、描かれている絵柄を見てみると、タイトルのとおり、収穫のあとに散らばっている落穂を農民が拾い集めているところのように見えますね。

しかし、拾っている人たちは、畑の持ち主でも、雇われ農民でもありません。日々の生活にも苦しい貧困層の人たちなのです。

ミレーは、熱心なクリスチャンであった祖母と、教会の合唱指揮者であった父に影響を受け、旧約聖書の申命記に記されている人道上の規定を元にして「落穂拾い」を描いたと言われています。

では、その旧約聖書 申命記の人道上の規定とは?

聖書から一部抜粋します。


畑で穀物の刈り入れをして、束の一つを畑に置き忘れたときは、それを取りに戻ってはならない。それは寄留者や孤児、やもめのものとしなければならない。

(中略)

あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったことを思い起こしなさい。それゆえ私はあなたに、このことをせよと命じる。


上記抜粋は、つまり


畑で刈り入れ後の落穂は、寄留者(外国人)、孤児、未亡人、などの貧しい人々が拾えるように残しておかなければならない。

かつて(紀元前15~16世紀頃)、あなた方(ユダヤの民)は、エジプトで奴隷であったが、神はユダヤの民を救い出してくださった。そのことを思い出し、今度は、あなた方が貧しい人々に施さなければならないと、神は命じている。

と、解釈できますね。補足として、落穂については、持てる者の施しと同時に、貧者の権利でもありました。ただ、当時は落穂を拾うことは屈辱的なことだったようです。

この教えは、旧約聖書のルツ記の物語でも書かれています。この物語は、未亡人を題材に書かれていますが、ミレーの「落穂拾い」で、落穂を拾っている人物は女性(未亡人)なので、ミレーはルツ記の場面を取り入れて「落穂拾い」を描いたと思われます。

ルツ記の物語の内容は、「マンガ旧約聖書 3巻」だと簡単に読めます。ルツ記の内容とミレーの絵画「落穂拾い」を照らし合わせて意味が分かると、絵画鑑賞に、より理解が増してきます。


このように「落穂拾い」は、ただ単に農村の収穫期の1場面ではなく、

前景には、日々の生活にも苦しい貧しい人々(未亡人)、それらの人々にミレーが込めた思いと、キリスト教的な慈悲、
対象的に、遠景の地平線には豊かな収穫と明るく照らす陽の光、

これらの要素が重なり合って、画面全体は、意味深いものとなっています。

こういったことがわかると
「落穂拾い」をより深く理解して見ることができますね。

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ミレーの生い立ちと雑感

ジャン・フランソワ・ミレーは、フランス ノルマンディ地方の農家の子として生まれます。父は、農民であり、教会の合唱指揮者でもありました。

少年時代は、農作業の手伝いの傍らに写生をしていたり、画塾に通っていたようです。その後、パリの美術学校に進学して、(当時では格が高い)歴史画家を志すも、評価されたのは肖像画でした。

画家としてのスタートはしましたが、歴史画や田園画の他、生活のため、肖像画、裸体画も描いている日々。

そのような中、1948年にフランス革命(2月革命)が起き、王政から共和制に移行しました。共和制により、農民・労働者階級が力を持つことになります。このことは、その年(1948年)のサロンの審査にも影響して、ミレーが出品した農作業に従事する農民を描いた「箕をふるう人」が評価されました。この頃から、ミレーの農民画家としてのポジションが確立するようになりました。

ミレーの「落穂拾い」が描かれたのは、1857年(43歳頃)です。志していた歴史画はあまり評価されなかったようです。ミレーは歴史画も描いてはいるんですけどね。有名なのは、農民画家としての作品ばかりです。「落穂拾い」は聖書を題材としているので、歴史画と言えなくもないですが、画面を見ると、実直な農民の印象が強いので、農民・労働者の礼賛的な作品として評価されたのでしょうね。


「箕をふるう人」 ジャン・フランソワ・ミレー


私は「落穂拾い」の実物を鑑賞しましたが、非常に重厚感があります。

図録などで見るよりも、絵肌表面は、もっと粗野ですし、
ニスが黄ばんでいて、汚れた印象があります。

しかし、それがこの絵画の深い意味と絡まり合って、独特の魅力を醸し出し、
鑑賞者を引き付けているように感じました。

ルツ記を、マンガではなく、活字でしっかり読みたい方は、「旧約聖書」が読みやすかったのでおすすめです。ルツ記だけでなく、旧約聖書全体の物語も含まれています。西洋絵画は聖書を題材にしている作品が多いので、他の西洋絵画の理解を深めるためにも役に立つと思います。

ちなみに、イギリスで同時代に活躍したジョン・エヴァレット・ミレーと名前が似ているので同一画家と間違えることがありますが、二人は別々の画家です(^^

<あわせて読みたい>
〇【有名絵画】30作品を画家が厳選「ゴッホの【ひまわり】は光輝くような黄色、存在感」など 

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