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ゲルニカ(ピカソ)の意味と解説|伝えたいことは?|花,馬,牛の意味

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こんにちは、画家の佐藤功です。

今回は、
ピカソの代表作「ゲルニカ」について
解説します。

ピカソの代表作「ゲルニカ」の意味と解説

パブロ・ピカソ(1881年-1973年)
の代表作

「ゲルニカ」 壁画(1937年)

タテ 3.5M、ヨコ 7.8M、の壁画の大作です。

私が、この作品を見たとき、最初は全く意味が分かりませんでした。
天才ピカソの作品なので、何か、すごい作品なんだろうな、とは思いましたが(^^;



「ゲルニカ」は、スペインの内戦を題材にした作品です。1937年に反乱軍のフランコ将軍を支援するナチスによって行われたスペイン北部の小都市ゲルニカに対する無差別爆撃が題材になっています。この事件は、当時ファシズムの残酷さを象徴するものとして、国際的に激しい批判の対象とされていました。

ピカソは、ナチスへの抗議のため、ゲルニカを制作したようですが、
爆撃を表す具体的なモチーフは排除して、(爆撃の)悲嘆や苦痛にもがく人物や動物を象徴的に表現しました。

「ゲルニカ」に描かれているものとは?その意味とは?

牛や馬、花など、それぞれのモチーフの意味について、以下に解説します。ただ、様々な解釈がありますので、この解説以外の解釈もあるということに留意してください。

(1)牡牛:
牡牛はミノタウロスに見立てることもできる。暴力、破壊の象徴。また、フランコ、ファシズムの象徴。(3)の女が差し出す真理の灯火に照らされて、牡牛は顔を背けている。

(2)馬:
抑圧された人民、瀕死のヒューマニズム、など。

(3)灯火を差し出す女:
灯火は「真理」の象徴。女が灯火(真理)を暴力の象徴である牡牛に差し出し脅威を退けようとしている。西洋絵画では、伝統的に蝋燭や灯火を真理の象徴としている。

(4)折れた剣を持つ倒れた兵士(剣の上に花?):
フランコ、ファシズムの犠牲になった戦士(スペイン市民)の象徴。右手の折れた剣の上に花が咲いていることから、復活の象徴とも。ファシズムに倒れても復活するスペインとも解釈できる。

(5)死児を抱き絶叫する母:
ゲルニカ市民の代表。ただし、ピエタ(死せるイエスを抱くマリア)を連想させる図像(何かを意味する絵柄)なので、これはイエスの死と再生の象徴とも重ねることができる。

(6)建物から両手を広げ落下する女:
ピカソ自身、あるいは、イエス。死と再生の象徴。

(7)電灯(太陽の中にランプがあり、「目」とも解釈できる):
太陽を「目」と見立てており、神の目を連想させる。

「ゲルニカ」は、感覚的に一気に描き上げた印象がありますが、ピカソは、壁画制作前や制作中にも、スケッチを多数描いて、どのような絵にするか、かなり試行錯誤しています。

例えば、

(1)牡牛は、無機質な表情ですが、スケッチ段階では、暴力的な表情やポーズも描いています。また、牡牛ではなくミノタウロスを描いて、その表情は穏やかであったりと、牡牛の方向性に苦心していたようです。

(2)馬は、被害者の様相ですが、スケッチ段階では、暴力に抗うアイディアもありました。

(5)絶叫している母は、号泣、威嚇など多彩な表情のスケッチを描いています。最終的に、涙は排除して絶叫になったようです。


このように、「ゲルニカ」の各モチーフは、完成までに様々な形相の可能性がありました。このことから、各モチーフには、たくさんの感情や意味が含まれているとも言えます。

「ゲルニカ」は、約1か月で描き上げたそうですが、それにしてもスケッチを含め、この巨大サイズの壁画を約1か月とは、かなりの早描きですね(^^;

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※「ゲルニカ」は、キュビズムの代表作とも言われています。そもそもキュビズムとは何?という方は、こちらの記事「【キュビズムとは?】簡単に解説 ピカソ,ブラック,セザンヌ 代表作で解説でわかりやすく書いたのでどうぞ。

「ゲルニカ」で伝えたいことを画家視点で考察。ピカソはモチーフの意味を明言していない

ピカソは、モチーフの意味や解釈を明言していません。
ピカソは、「ゲルニカ」に対して

「牡牛は牡牛、馬は馬だ。
鑑賞者は結局、
見たいように見ればいいのだ。」

という言葉を残しています。

この言葉を踏まえて、私が画家としての視点から考察します。

この言葉から、ピカソとしては、
モチーフに特定の意味を持たせていないので、
鑑賞者が好きなように様々な解釈をすればよい、ということのようです。

この言葉の真意を深読みしてみます。
わざわざ戦争に使う具体的なモチーフ(爆撃機や銃火器など)を排除して、動物や人物を登場させて象徴的に描いています。このことからも、ピカソとしては、ゲルニカを題材にしながら、単に局地的な戦争絵画として捉えられたくない、もっと普遍的な意味合いを持たせたい、ということかなと思いました。次にまとめます。

まとめ

「ゲルニカ」は、20世紀の戦争の反ヒューマニズムの恐ろしさを描いた作品といわれています。

絵画を含め、芸術の役割には、美しいもの、前向きなものなど、精神的な豊かさを提供すること、などがありますが、それらと等価で、その時代の社会的構造の歪み、そこから発生する精神的な歪み、人々が意識・無意識に感じている抑圧や絶望など、それらを取り出して知らしめる役割もあります。

「ゲルニカ」は、スペインの内戦を題材として、当時(20世紀初頭)、台頭してきたイタリアやドイツなどのファシズム、その暴力や抑圧、社会の歪みや絶望を象徴的に取り出して、人々に知らしめている。という狭い解釈だけに限らないように思います。

「ゲルニカ」では、戦争やファシズムの暴力に限らず、あらゆる暴力・抑圧全般、さらに数々のモチーフが、あらゆる暴力・抑圧からの再生や復活といった普遍的な意味合いを持っているのではないでしょうか。

また、モノクロで制作されていることにより、鑑賞者が、赤い鮮血など色彩による残虐さを感じることは、ほぼ無いと言ってよいと思います。「ゲルニカ」は反ヒューマニズムの恐ろしさを描いた作品とはいえ、目を背けたくなるような凄惨な画面ではありません。むしろ、モノクロ、さらにキュビズム的なデフォルメにより、どこかコミカルでもあります。

「ゲルニカ」はこのような絵柄により、多くの人々に受け入れられやすくなっていると思いますが、そこはピカソが意図していたかどうかはわかりません。ただ、結果的に今日まで多くの人々に受け入れらえて、あらゆる暴力・抑圧、そして再生や復活を考えるきっかけとなっていると思います。

現在までに、「ゲルニカ」は第二次世界大戦やベトナム戦争などで、反戦絵画のシンボルとされました。また、国連本部には「ゲルニカ」のレプリカが展示されています。このように、強いメッセージ性を持ちながら、かつ、人々に受け入れられやすい絵柄であるから、「ゲルニカ」は世界中に広まって、国連という公の場にも展示されているのでしょう。

<あわせて読みたい>
〇ピカソ「青の時代」とは?|代表作は?|親友の死がきっかけ|生と死、社会的弱者を描いた

ちなみに+ピカソの死因 

ちなみに、「ゲルニカ」は、ピカソ56歳の時にスペイン政府から依頼されました。パリ万博スペイン館に飾るためです。ピカソは依頼を受けて絵を描くことは殆どなかったので、珍しい作品といえます。画家として駆け出しのころは貧困に苦しんでいましたが、わりと若いころから画商がついて売れていたので、依頼作品を描く必要がなかったようです。

ピカソの死因 肺気腫 92歳

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