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イコン画の
“イコン”とは?その意味
こんにちは、画家の佐藤功です。
イコン画の “イコン” とは、もともとはギリシャ語の「エイコーン」(聖像)に由来しています。
“イコン”とは、キリスト教の聖人や、聖書における出来事など崇拝の対象となる”聖像”のことですが、その”イコン”が描かれた絵画がイコン画です。主に東方正教会で、礼拝に用いられています。
キリスト教では、イコン画自体は、信仰の対象ではなく、
イコン画に描かれた “原像” (聖像)が信仰の対象だといわれています。
例えば、上のイコン画のように聖母マリアとイエスが描かれた “絵” そのものに祈りを捧げるのではなく
描かれた元となる、聖母マリア、イエスに祈りを捧げるということです。
(キリスト教では偶像崇拝は禁じられているため)
ちなみにコンピュータのアイコンは、イコンが語源になっているようです。
<イコン画が収蔵されている施設>
東京復活大聖堂(ニコライ堂) (休止中)高校生以上300円,中学生100円,小学生以下無料
玉川大学 教育博物館 入場無料 事前予約制
国立西洋美術館 常設展 一般500円,大学生250円
この記事をご覧になっている
油絵を描いてみたい、いま学んでいる
そういった人に
私の画家としての経験から書いた、
油絵を学べる
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ベルギーの教会で、イコン画に2時間見入る
ブログのはじめに掲載している、下のイコン画ですが、これは私が20代の頃、ベルギーの教会で見て、非常に印象に残っていたものです。その教会で購入したポストカードの画像です。自分の画家としての作品制作において、その後とても刺激になっています。
このイコン画を見たのは、ベルギーのブリュッセルで、
観光地としても有名な教会だったと思いますが、
教会名は忘れてしまいました…
教会はゴシック様式で、天井は非常に高く、
薄暗くで荘厳な雰囲気でした。
中に入ったときには、なんだか気持ちが切り替わるようでした。
そして、光が差し込むステンドグラスも美しく、
壁面などにも、数々の聖人の彫像が組み込まれていました。
教会の中で、ちょうど中心あたりの柱に、
わりと地味というか、目立たない感じで
イコン画が掛けてあったのです。
イコン画のすぐ手前には、火を灯したロウソクが100本ほど並べてあり、
向かいに長椅子がいくつか置いてありました。
拝観者が、ロウソクに火を灯して、イコン画を前にして
祈りを捧げるためのようです。
私は、その長椅子に座って、イコン画にしばらく見入っていました。
周りを見わたすと、座っている拝観者の中には、イコン画を前に泣いている人もいました。
聖母マリアが幼子イエスを抱くイコン画ですが、
描かれたマリアとイエスの表情に見入りながら、
絵画で、慈悲心や博愛などの精神性を放つとは、こういうことなのだろう
と思いました。
このイコン画が描かれたのは、おそらく中世後期以降から近年だと思いますが、このような図像のイコン画が描かれた中世の美術は、神の偉大さを表すように聖人は大きくする、配置する位置が決められている、など信仰のために様式化されています。
デッサンの視点でいうと、人体の形や構造、その空間が正確に描けてるわけではありません。しかし、絵が放つ精神性、存在感というべきものは、必ずしも形態の正確さに依存しているものではない、違う次元のこととして捉える必要もあると実感しました。それまでもわかっていたつもりですが、この時、深く実感しました。
気がついたら2時間くらいもイコン画の前に座っていました。
信仰の対象が描かれいてるイコン画とは、
制作した画家の強い信仰心と、長い年月にわたり、そのイコン画を礼拝する多くの人々の信仰心により、この画から強い存在感が放たれるようになっているのだろうと思いました。眼にする者の精神に深く入り込んでいくように感じました。
当時のこの経験は、私の画家としての制作や表現について、改めて考えるきっかけになっています。
<あわせて読みたい>
〇【美術館】画家が、おすすめする鑑賞方法「興味ない絵は1秒だけ見ればよい」
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